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【あなたが、すきだよ】

最終話になります



==========

君の本当の気持ちを――……教えて。


嘘も、同情もない君の本当の気持ちを。
それが、私の望んだ答えでなくてもいい。
君の、望んでいる未来の話を聞かせて?

――……ごめん。

やっぱり、望んだ答えでなくてもいいなんて、嘘だ。
好きって、言って欲しい。いつもの様な友達としての好きじゃなくて。
トクベツの、好き。口に出すだけで、胸が熱くなるようなそんな、好き。


――……ああ、どうして私はこんなにも貪欲になってしまったんだろう。

ただ、初めは名前を呼んでもらえることが嬉しかった。
側にいられるだけで、笑いかけて貰えるだけで嬉しかった。


それは――……気づいては、いけないことだった。

私は初めから君と友達には、なれていなかったということ。
多分、きっと初めから。


なのはへ抱いていた思いは、友情としての好きなんかじゃ、なかった。
--------------------------

「何よりも、誰よりも。君が、好きです」


吹き抜けた風に一瞬自分の髪で視界が金色に変わって。
次の瞬間に見えたものは困ったような。泣き出しそうな。

――……そんな、君の顔だった。


その顔を見た瞬間に、また胸が痛くなった。
今までの比じゃないくらい、じくじくと焼け付くように。
目を思い切りつぶってその視界を遮ると、そこには闇が広がるはずなのに。
そこに浮かんだのは、やはり先ほどの困った顔のなのはの表情だった。

なのはを――……困らせてしまった。
(ごめんね、なのは。……ごめんなさい)

結局私は――…やっぱり自分の気持ちを、なのはに押し付けてしまったんだ。
あんなにも優しいなのはを。いつも困った時には助けてくれたなのはを。

――……困らせた。


「……ッ!」
「フェイトちゃん」

堪らなくなって、逃げだしそうになった私の手を、
なのはの暖かな手が柔らかく包み込む。それはまったく力が入っていなくて。
振り解こうと思えば振り解くこともできたけど。

私には、自分からなのはの手を離すなんてこと出来るはずもなくて。
ただなのはの顔を見れないまま、涙が出そうな目を閉じて、俯いた。


「フェイト、ちゃん」

なのはの口からもう一度優しく紡がれる自分の名前に、胸がただ痛くて。
なのはの気持ちが知りたいって決心したのに、その答えを聞くのが怖くて。
そんな自分が惨めで、情けなくって。

今私はきっと、嫌な顔、してるから。
そんな顔をなのはに見せたくなくて更に俯いた。


「フェイトちゃん」
まるで、こちらを向いて、と問う様ななのはの声を無視することもできなくて。
ゆっくりと顔を上げるとそこには、この晴天を移しこんだかのような深い蒼。


「どうしてそんな事、言うのかな?」
「……私、は」

責める訳でもなく、ただ問いかけるような柔らかい声に弱気な心が呼応して。

「なのはのことが……好き。……ずっと側にいたいんだ。」
「……友達としての、好き、じゃ……なくて…?」

ぐっと唇をかみ締める。ああ、もう、私は何を言ってるんだろう。
もうなのはの答えなんて、聞いたも同然なのに。

「ずっと側にいたいって思うのは…今も、これから先も、なのはしかいない」

君に縋るような事を言って、君を困らせるだけなのを……分かっているのに。


頭でそれを理解しても、心がそれを認めない。
今まで奥底に閉じ込めてきた想いが一気に溢れ出して来て。
大きな想いに押しつぶられて、思考は形を上手く成す前に消えていく。


「……ごめん、こんな事言って。また、君を困らせてしまったね…」
でも、もう。

「これで、最後にするから。」
だから、お願い。


「君の。……なのはの気持ちを、教えて下さい」

言い切って、なのはの瞳を見つめる。
数秒とも、永遠とも知れない、私にとっては長い長い沈黙の後。


「……私、は」

――……なのはのか細い声が、沈黙を切り開く。


「私じゃ、駄目だよ」
「……なのは……」
「私じゃフェイトちゃんに、何もしてあげられない!戦闘だったら、一緒に戦える。
 背中を任せて、一緒に任務がしてもらえる。……でも!他の事は……何も出来ない」

「……っ!そんなことない!そんなことないよ!」
これ以上なのはの言葉を聞きたくなくて。今にも泣き出しそうな震える肩を
私の腕の中へ閉じ込めた。瞬間、なのはの肩が、びくりと震えた。

「何もできないなんて、そんなこと言わないで。私はなのはに何かして貰いたくて
 一緒に居たい訳じゃないんだよ?なのはがなのはだから、一緒にいたいんだ」

なのはの肩の震えを止めてあげたくて。ただそれだけを考えてぎゅう、と
少しだけ腕の力を強める。腕から伝わるのは、暖かいなのはの体温と、

ちょっとだけ早い、その鼓動。


「私じゃ、フェイトちゃんに、ちゃんとした家族をあげられない」
「なのはがいればそれでいいよ」
「フェイトちゃんの子ども、フェイトちゃんに抱っこさせてあげられない」
「じゃあ、なのはを抱っこさせてくれればいいよ」
「他の人から変な目で見られて、フェイトちゃんが傷つくのは嫌だよ…」
「私はそんなの気にしないよ。もしもなのはがされたのなら、

私がその人を殴り倒してみせるから。傷つけさせたりなんてしないから。」


「……フェイトちゃん、それ、笑えないよ」
苦笑して、更に肩を震わせるなのは。その目には涙が溢れていて。
そのことを誤魔化すためだ、なんて言うのはすぐにわかったけれど。

今はもうそんなこと、必要ない。


「私じゃ、だめなの?って。……何度も思った」
「……え?」

ぽつりと呟く、耳を凝らさなければ聞こえないほどの擦れた声。
それは、本当になのはのものなのかと疑うほどに、ひどく元気がない声だった。


「フェイトちゃんが、笑いかけてくれる度に。 

 ああ、きっとそのうちこの笑顔は他の人のものになっちゃうんだ、って考えて。
 そんなの嫌だって。でも、女の子同士だからきっとこの気持ちはおかしいんだろうなって。
 好きって言ったら、困らせちゃうかな…って。だからずっと友達でいようって…そう思っ…。」

最後の方はもう、嗚咽で上手く聞き取れなかったけれど。
それでももう十分にその気持ちは伝わってきて。


「私は、そんな風には、思ってないよ。」
ただ、ひどく君が愛おしくて堪らなくて。

「私は、この気持ちがおかしいなんて。一度も思ったことないよ」


多分もう伝わらないと思っていた、祈りが。
もう叶うことのないと思っていた、願いが。

「好きだよ、なのは。大好き」


今、この腕の中にある。


「私も……大好き。」
「大好き。本当に大好き。」
「私も大好きだよ。フェイトちゃん」
「なのは。好き」
「私も、大好き。」


今までの分を取り戻すかのように、飽きるくらいに好きと君に囁くと。
それと同じ分だけ戻ってくる、きみからの「好き」。

――……それがただ、ひどく嬉しかった。


「フェイト、ちゃん」
ふいに、抱きしめていた私の腕を解くようにしたなのはを見つめると。
そのまま彼女は少し視線を泳がせた後、決心した様に静かに目を閉じた。


彼女がして欲しいことは多分きっと、私がしたいこと。
夢なんじゃないかなって。それほどまでに信じられないくらい幸せで。


だから。


「なのは。――……言って?」
そう言って、なのはの頭を撫でると、赤みがかっていた顔が更に真っ赤になって。

「……っ!フェイトちゃん、わかってるのに言ってるよね」
そう抗議して、軽く顔をしかめ、睨まれる。
(う~ん……そんな顔しても、もっと好きになるだけなんだけど……)

「言って欲しいんだ。ずっと好きだったから。きっともう叶わないと思ってたから」
「……それなら私だってそうだよ?」
「多分私の方が、ずっとずっとなのはのこと、好きだよ?」
「私の方がフェイトちゃんのこと好きだもん」
「ううん、多分私の方が好きだよ。……絶対。」

そしてお互い譲らず、そのままにらめっこ。
しばらく経って、お互いどちらともなく吹き出し、しばらくの間笑いあった。



「フェイト、ちゃん」
急に笑うのを止めたなのはに、きゅっと私の服を掴まれる。
その震える手に私の手を重ね、次の言葉を待つ。

「……ちゅう、して?」

私を見上げた真っ赤な顔のなのは。それでも私の瞳を見つめてそう言ってくれて。
思わずなのはを抱き寄せ、その頬に口付けた。

唇からなのはの肌の温かさが伝わって。
その温かさが、胸の奥の痛みを溶かし、代わりに温かいものが溢れ出す。


「うう……フェイトちゃんなんだか意地悪だよ~」
そんな私を見て、恨めしそうにそう言うなのはの唇を私の唇で塞いだ。

初めて触れるなのはの唇は、柔らかくて。
甘い痺れが全身に緩やかに巡る。もう涙が止まらなくて。
でもそれでもきっと、いいのかもしれない。

ああ、こんなことならもっと早く好きって言えばよかったかな、なんて。
きっとなのはの気持ちが分かった後だから言える台詞。

しばらく経って唇を離し、同じように溢れていたなのはの涙を指で掬って。

「ありがとう、なのは」
そう言うと、彼女はまた嗚咽をあげて。

「大好きだよ、フェイトちゃん」
いつもとは違う、でも私が見た中で一番大好きな笑顔でそう言ってくれた。


その彼女の笑顔に魅入られるように私はまたなのはの唇に口付けて。
そのまま、次の授業の開始のチャイムが鳴り響くまでの間。
飽きることなく私達は何度も好きといって、一緒に笑いあった。


END
------------------------
はい。という訳でなのはとフェイトがくっつくまでの話、フェイト心情編。
無事完結いたしました~~~!フェイト頑張りました!!

別名「なのはさんにちゅうして、と言わせたかったSS」
…あれ?なんか今私地雷踏みましたね(爆


内容的にはなんだお前ら結局両思いだったんか!的な感じでございます。

それでもって、なんか最後は余裕のフェイトさん。
言葉で攻めてきたか!……でもきっとなのはのことだから
いつか何かで返されると思うよw(マテマテ)

最後は思ったより長くなってしまいました;
前編と分けておいて本当によかったな~……としみじみ(=△=;)



さて、ここからはやっと甘々ものが書けるとなるとわくわくしますね!
一段落したので更新速度が落ちるかもですが、なるべくSSを
書いていきたいと思っております。

内容は相変わらずアレかもしれませんが…… orz

では、最後まで読んでいただいて本当にありがとうございました!
また次回SSでお会いできましたら嬉しい限りですw
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汐薙

Author:汐薙
初めまして、汐薙と申します。
魔法少女リリカルなのはで活動中。

主な取り扱いカップリングは
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