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【Das Resultat sagt alles ~sieben~】


第7話です~。はやて視点です。






==========

彼女と出会ったのは、今からもう10年も昔の話。

――……その気持ちは今でも強く覚えている。

その頃、私はお父さんとお母さんと3人。
何も不自由ない生活を送っていた。

そんな生活に終焉が訪れたのは、私が、4歳の時。


私の住んでいたその村は国境ギリギリにあって、隣国の戦争の影響も多く、
よく村でもどこどこの誰々が亡くなった、という話が絶えない所だった。
両親はそろそろ住む場所を変えた方がいいかも知れない、そんな話をしていて。

……ちょうど、引越しが決まった日の前日だった。

少しばかり買い物を頼まれた私はすぐ近所の店へと出かけて。
小さいのに偉いね~なんて褒めて貰い、その店のおばちゃんから
綺麗な飴玉をもらった。

光にかざすそれはとても透き通っていて深い深い、青。

もったいなく思いながらも口に含むと甘い味が広がって。
そのことが嬉しくて、少し上機嫌で帰り道を歩いて。

そうしてたどり着いた先には、真っ赤な火柱が――……あった。


このご時世には……よく聞く話だった。
……でも、それは自分には関係のないことだと思い込んでいた。

「……ど、して……」

思い、込んでいた。

呆然と立ち尽くす中、住んでいた私の家は崩れ落ちて。
ただ、それを見ていることだけしかできなかった。

夜になって、朝になって。また夜になる。
何日が過ぎたのだろう?分からなかった。

……もう、何もかも……どうでもいい。

痛いのか、悲しいのか、寂しいのか。
それすらもわからない。

座り込んだまま目を閉じる。もう、涙は出なかった。


ざり、ざり、ざり。

大勢の足音。……ああ、敵国の兵だろうか?
捕まってしまうのだろうか?……それでもいい。

もう、なんでもいい。

「どうしたの?こんなところで?」

次の瞬間に……ふいに、優しい声が――……聞こえた。

膝に埋めていた顔を上げ、その声のする方へ向けるとそこに映ったのは、
あのいつかの幸せだった日に見た、飴玉のような綺麗な蒼。

「……泣かないで……?」

ぎゅうっと抱きしめられたその腕はなんだかとても温かくて。
その声に、枯れ果てたはずの涙がまた零れ落ちたのを感じた。


後から聞けば、あの時彼女は姉妹国からの帰りだったらしい。
道端で座り込んでいる私を見つけた時は驚いたよ、と照れながら

「姉妹国訪問は嫌だったんだけど……そのおかげではやてちゃんに会えたから」

でも嬉しそうに目を細めて笑ってくれた。


それから私は保護をされ、魔力値もそこそこあると言われたので軍に入った。

なのはちゃんは何故だか私のことを気に入ってくれたらしく、
たまに練習を見に来てくれたりもしていた。私もやる!なんて無茶振りされて、
……ちょっとチャンバラの真似もやったりさせられたけど……;

そんなこともあって、騎士になってから姫のお世話役という重役も任命された。
異例の速さに、陰でコネだなんだと色々言われたりもし、苦しいときもあった。

――……でも。

「にゃはは。はやてちゃんの実力だよ」

その一言に私がどれだけ救われたか、きっと彼女は今でも知らない。
その笑顔に私がどれだけ救われたかなんて、多分ずっと…言わない。

多分ずっと……言えない。

だから、誓った。

ちょっと鈍感で天然で……でも、凄く優しい彼女の為に。
寂しいなんて一言も言わず、やせ我慢ばかりしている彼女の為に。

私は。私だけは。
例え……何があってもなのはちゃんの味方でいようと。

――……皆に好かれる「なのは姫」ではなく。


その影で縮こまってしまった「なのはちゃん」の味方でいようと。


-----【sieben ~(Ratschlag)~】-------

痛いくらいの静寂とその場にそぐわないような香ばしいコーヒーの香り。
見慣れた私の隊室は、守護騎士隊の子らは居らずいつもとは違い閑散としていて。

その中で向かい合った彼女は、未だに一言も発せずに俯いたままだった。

「……ごめんな、フェイトちゃん…」
「……なんではやてが謝るの?」

その表情は、前髪によって隠れうまく読み取ることが出来ない。
ただ掠れたその声はいつも聞いていた彼女のそれなのかと
疑いたくなるくらい小さく、そして聞いていて痛々しかった。

「……隠すつもりは……なかったんや」
「………。」

その言葉に、またぎゅうっと堅くその手が握られたのが分かった。

「……はやては、悪く……ない……。もちろん、なの……」


なのは。そういいかけた言葉が、止まった。
その後にややあって、姫様だって。と、続けられた。

「……なのはちゃんも…言えんかったんよ」
「分かってるよ……分かってるっ!!」

分かってるよ。そう、何度も繰り返し紡がれた。
それは、きっと自分を納得させる為に無理やり吐き出される言葉。

何度も何度も首を振って。
最後の方は……もう聞き取ることも出来なかった。

「……分かってる……でも。……分かりたく、ない」

それは、叫びにも似た小さな想い。

「分かりたくなんか……なかった」

毎朝練習の前に必ず読まされる、訓告。
嫌というほど繰り返したそれはきっとフェイトちゃんも同じこと。

その中の一つ。

いかに君主が大切で尊い存在なのかを示した、一文。

「知りたくなんか……なかった」

私が、もっと早くに言えば……こんな事にはならなかったのだろか?
なのはちゃんは姫様やから止めとけって。忘れろって。

そう言えば、誰も傷つかなくて済んだのだろうか?


……そんな訳、ない。

「なのはちゃんが姫様やって分かって……嫌いになったんか?」
「……はは、そうだね……。」

その質問にゆっくりと上げられたその表情は、

「……そうなれたら……どんなに楽なのかな…」

ひどく、無感情なものだった。

「なのはちゃん、フェイトちゃんと出会ってここ数年、凄く楽しそうやったんよ」
「……。」

「……なのはちゃんには……フェイトちゃんしかいないんよ」
「勝手なこと……言わないでくれるかな…」

そんな追い詰めるような言葉しか言えない自分が、情けなかった。

「……なのはちゃんがどこぞのボンボンに取られてもええんか!?」
「お願いだから!!……お願い、だか……ら」

どうすることも出来ない自分の無力さが……歯がゆかった。


「……私は、なのはの弱点になりたくない……」

今は戦争中。必要なその時期が来ればフェイトちゃんもきっと戦場に出る。
そんな時に姫とそんな関係にあると知られれば、敵国の捕虜にされた場合に
そこに付け入られ、ヘタをすれば一気に国を攻め落とされる。

確かに……そんなことがないとは、言えなかった。

「せやけど……っ!」

「今の私じゃ……何かあった時に……なのはを守りきれることが……できない…。
 ……嫌いになったから……離れ、るんじゃ……ない、んだ」


どうして、好き同士なのに。……こんな。

「私は……大好きななのはを、守りたい。」


こんな風にしか出来ないんだろう。

「だから……なのは…か、ら……離れるんだ……」

――……戦争なんて、身分なんて。
やっぱり……大嫌いや。

「それしか……今の私には……してあげることが、出来ないんだ…」

苦しそうなその声。でも、彼女は泣くのを我慢するように笑った。
だから私が、悔しくても泣けないフェイトちゃんに代わるように。

今もきっと泣いているだろうなのはちゃんを想って


――……声を上げて、泣いた。

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