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怒涛の更新


汐風の戯言にあるまじき更新速度でお送りしております。

フェイなのSSです!! んん?……これ、フェイなの? 
攻×攻のつもりが、書いてみたら全然そんなことありませんでし、た。
しかもフェイトさんの素行が悪いという罠。なんかもう色々すみません(><)
短く終わらせるつもりが、いつのまにやら長くなってしまいました……どうやったらまとめられるんだろうorz

余力があれば、なのは視点も書いてみたい所存です。



本気なんかじゃ、ない。
いつも通りの、目的を得るための手順でしかない常套句。

「ねぇ、なのは。私と付き合ってよ」
「やーだー」

どことなしに軽い口調で告げれば、同じような軽い言葉が返された。
もう言われ慣れてしまったんだろう。おはよう。うん、おはよう。そんな挨拶みたいなノリだった。
仮にも愛を告げた相手が目の前にいるというのに、彼女は何でもなかったように視線を目の前のノートに移す。
本当に気にもしていないんだろう。頬には僅かの紅潮もない。

「相変わらず冷たいね?」

わざとむくれるように告げれば、答えるだけマシだと思うよ、と突っぱねられてしまった。
まぁ、それもそうだね、と首を竦める。答えはなく、視線は落とされたままだった。

暇を持て余し、一生懸命に書き写されているテキストを覗き込むように見つめる。丁寧で綺麗な字だ。
学部が違うから、内容なんて分からない。文字を追うのに飽きて視線を上げれば、伏し目がちの長い睫が見えた。
それから。僅かに綻んだ、紅を差したような艶やかな唇。

ページをめくり浮き出た肩に、夕陽を浴びて色を濃くした亜麻色の髪がさらりと滑る。
手馴れた手つきで払いのけられ背へと流されると、露になった襟足から細い首が覗いた。

女性の肌なんて自身を始めそれこそ何度となく見てきたはずなのに、磁石のように一瞬で目を奪われる。
シャープペンを持った長い指。桜色の爪。しゃんと伸ばされた背。まるでなのはに合わせてしつらえたような服。
そのどれもが清楚な、それこそ年相応の可愛らしいものなのに。

ぞくり。

全く正反対の凄艶さが絡み、心を弾いて震わせた。


(――綺麗だな)


視線を追うようにして身体が動く。
身を乗り出して、机の天板に体重を預けると、ぎしり。木の板が軋んで。

「だーめ」
「……うぷっ、」

あと少し。吐息が絡むまで近づいた唇は、無残にも硬い紙に阻まれた。
押し当てられた教科書と熱い接吻をした私を横目に、目の前の肩が逃げるように引かれる。

「まったく、油断も隙もない」
「……、」

こんな無機物じゃなく、甘い唇を期待していたのに。不意打ちすら通じないなんて鉄壁にも程がありすぎる。
苦笑交じりに目の前を遮るそれをどかせば案の定、蒼い瞳はつり上がっていた。

「フェイトちゃん、また殴られたいの?」
「……させてくれるなら、いくら殴られてもいいけどね」

そうでないなら嫌です。手のひらを差し出して降参のポーズ。冗談でないというのは前もって体験済みだ。
他の子に言っていたように「本当にだめ?」なんて甘く告げようものなら、本気で殴られかねない。

「せっかくだけど、私は他の子のようにはいかないからね?」

笑顔で告げられた言葉。残念。小さく告げて椅子に背を押し当てる。
なのははまだ警戒していたようだけど、ややあって息を吐きながら視線を戻した。

ああ、そう言えば、こうやって跳ね返されたのはこの子が初めてだな。なんて。思い返して笑いを一つ。
可憐な容姿とは裏腹にきっぱりとした強い意志。そのギャップも、当初の私にとっては新鮮だった。
急に笑いを零した私に、訝しげな視線が投げかけられる。向けられた蒼い瞳に、なんだか嬉しくなった。

――やっぱり可愛い。
はやての言葉は間違いなかった。

興味本位でなのはに近づいて、半年。
始めはまぁ、そんなに可愛いならちょっと手を出してみようかとかそんな感じだった。
友人としてなんかじゃない。悪い言い方だけど、その肉体だけを欲した。
刹那の寂しさを埋めてくれる相手として、篭絡するつもりで近づいた。

だけど。


『残念だけど。どちらかというと、キスはされるよりする方が好きなの』


受け流された常套句とキスに、しれっと言い放たれた言葉。
それはまるっきり予想外で、受けた衝撃は今でもはっきり覚えている。

「君が好きだよ」

好きな人なんていらない。大事な人なんて欲しくない。
そう思っているくせに、拒まれれば追い求めるのはどうしてなんだろう。

「うそつき」

最初は、なんとしてでも落として見せるって思ってた。ただ、それだけ。
口説いて無視され続けてて、それならと試しに話した日常会話に受け答えしてもらえた時は嬉しかった。
繰り返すうちに、なのはは次第に笑顔を見せてくれるようになった。

こうして軽口を言い合う様になったのも、つい最近のことだ。


「フェイトちゃん、サークルで残ってる訳じゃないんでしょ? 用事ないならもう帰りなよ」
「一人で帰るの嫌だから、なのはが終わるまで待ってるよ」
「……さっき目の前で立て続けに断ってたくせに、どの口が言うの」

はぁ。軽くため息が吐かれる。
しょうがないなぁ、って感じでなのはは時計を見上げた。
机の上を片付けだし、教科書を閉じる。テキストはまだ半分も埋まっていない。
まとめ切れていないレポート用紙を鞄につっこみ、立ち上がった。

「……なのは?」
「ほら、帰るんでしょう?」

手を差し出されて。
驚きに目を丸めると、なんて顔をしているんだとなのはが愉快そうに肩を揺らした。
無理やり手を握られる。その柔らかさになんだかよくわからないものが胸を満たした。

「う、うん」

――これは、お誘いと思っていいのかな?

笑って。すぐさま白い手にキス。
そんな妄想だけは雄弁で、私は吃音を混じらせ頷いた。

なのははこうして、たまに不意打ちをかけてくる。そんな時私は、いつもの常套句すら出ないのだ。
情けない。まるで赤ん坊のように小さくなるばかりで。今までの私は一体どこにいってしまったんだろう。
けれどそれは嫌じゃなくて。

心からの友人がほとんどいなかった私にとって、なのはがくれる日々は未知の連続だった。



 ◇



眠い。自然と落ちてくる瞼を擦っても、どうやら無駄な抵抗らしい。
心地の良い睡魔は、天気のよさも相まって完全に講義を受ける気を失わせていた。
午後もあるけど、そんなに無理して取るようなものでもないし。いいかな。

「なんやフェイトちゃん、もう帰るんかー」
「うん、ちょっと具合悪くて。適当に代返しておいて貰えると助かるよ」
「嘘吐くなやこのド阿呆」

あくびをかみ締めて席を立つ。呆れ顔のはやてに、あとで奢るからと返して屋上へ向かう階段を上った。
テラスより空に近いせいか、屋上はあったかいから大好きだ。とくに今日は風もないし、絶好の昼寝日和だろう。
重い鉄扉を開くと、軋んだ音とともに青い空が広がった。心地よさに目を細める。

「……ん?」

ぼそぼそと人の声がした。普段なら誰もいないはずなのに、誰だろう。
息を潜めて窺い見ると、視界の端にたなびいたのは見慣れた髪色だった。

「……なのは?」
「きゃっ」

近寄って声をかければ、なのはは一人きりではなかった。向かい合った人物が、驚いたように声を上げる。
まさかこんな時間にこんなところで誰か来るとは思わなかったんだろう。それは私も同じだ。

「そ、それじゃあ、考えておいてね」

短い言葉を言い放ち、逃げるように階段を駆け下りて言った。
その背中を見送りながら、ぼんやりと視線を投げかける。

「……ごめん。タイミング悪かったかな?」
「ちょっと、ね」

私とは違う意味で、なのはの浮名は聞いていたから比較的簡単に状況は飲み込めた。
素直に頭を下げればやはりその通りだったようで、苦い顔をしたなのはが笑う。

告白の余韻のせいかなのはの頬が僅かに紅潮していた。初めて見る表情。
いつもの凛々しさを失った、女の子の顔だった。

ちりっと、どこか胸の奥が焼ける音がする。

「相変わらずモテモテだね?」
「それ、フェイトちゃんに言われても嬉しくないよ」
「……それより、どうするの? あの人」

あくまで興味本位で聞いてみると、なのはがふにゃりと笑う。
先ほどの告白を思い出しているのか、それがまた面白くなかった。

「後になっちゃうけど、ちゃんとお返事はするよ?」
「ふ-ん、優しいんだね?」
「それはまぁ、誰かさんとは違うからね」

咎めるでもなく悪戯混じりな言葉に、返す言葉もなく首を竦める。
なのははそんな私を見て、くすりと肩を揺らし笑った。
遠くのほうで、鐘が鳴り響く。

「講義始まっちゃうよ? ……って言ってもそんな気なさそうだね?」

「――なのは」
「え?」

階下へと向かう背を引きとめ、腕を掴む。
あれ? どうしてそんなことをしてしまったんだろう。
自分でも思ってみなかった突然の行動に呆けると、もう一つ遠くで鐘の音が鳴った。

「あーあ、始まっちゃった」
「たまにはいいんじゃない?」
「んもう。私はフェイトちゃんと違って真面目なんですー」

言いながらも、戻る気もないのか隣に腰がかけられる。
気持ちよさそうに空を見上げ、目が細められた。

――ふわり。
風になびいた髪が、宙を舞う。

なんだろう。わからない。
知らないなのはを見たようで、気だけが焦る。

「付き合ってよ、なのは」

何かが壊れてしまいそうで。調子を取り戻したくて、いつも通りの軽口を告げる。
口内が異様に乾いて、舌が喉に張り付く。

「お茶ならいつだって付き合うよ?」
「そうじゃなくて、」

言いかけた言葉が、抑え込まれる。
向けられた静かな瞳は、しばらく前に見たそれと似ていた。

「恋人として……? それ、私だけじゃなくていろんな人に言ってるじゃない」
「そんなことないよ」
「そんなことありますー」

眉を吊り上げて告げるなのはに、より一層ちりりと痛む。
それは、訳もわからない感情だった。

「大体、私なんかじゃなくてもフェイトちゃんなら引く手数多でしょう?」
「でも、私は君がいいんだよ」

本気なんかじゃない。言葉のキャッチボール。
いつも通りの、じゃれあいだ。


「冗談が上手いね?……そうだなぁ。抱かせてくれるならそれでもいいよ?」

告げられた言葉に、どきりとする。
それは、友だちになって欲しいと告げられたとき、私がなのはに返した言葉そっくりだったから。
一方的な感情。ひどい言い方だと思った。

なんともいえない気持ちが巻き起こり、頬をかみ締める。
気づかれないように、笑って。

「それも魅力的だけど、どうせなら可愛らしい君が見てみたいな?」

しん、と静寂が訪れる。今ごろだったら黒板に向かい合っている時間だ。
なのははただ、遠くのグラウンドをじっと見つめていた。

「……、」

会話の切れ目が落ち着かず、ポケットを探った。
少し歪んだ硬質な紙の蓋を開けると、こちら側に顔を向けたフィルターが乱れ並んでいる。
角を叩いてほどほどに整列させ、そのうちの一本を取り出した。咥えると、すうっとしたメンソールの香り。
一緒に入れてあった細身のライターで火を点けると、息を吸うようにして煙を肺まで回した。

「……ふぅ」

一瞬くらっときて、むせそうになるのを耐える。
何週間ぶりかの刺激。タール数は低くても、メンソールは強い。冷たさが口内を通り肺までを満たしていく。
煙を吐き出して息を吸うと、取り込んだ空気はひやりと冷たかった。
煙草の煙は未だに苦手だけど、この感覚だけは好きだった。

隣を窺うと、なのはがなんだか不思議そうにこちらを見つめていた。
風向きには十分注意してたはずだけど、煙かったろうか。

「あ、ごめん、……嫌だった?」
「ううん。別に大丈夫だけど……」

慌てて煙草を遠ざけると、なのははなんでもなさそうに首を振る。
消そうかとも思ったけど、特に嫌がるそぶりもないのでもう一度フィルターを咥えた。
吸い込むたびにぽっと熱を点す先端。

「フェイトちゃん、それ、無理して吸ってるでしょう?」
「っ、ごほっ」

急な言葉に、持っていた煙草を落としそうになる。
大幅に揺らされ、形を保っていられなくなった灰の塊が手の甲に落ちた。

「熱っ」
「ああ、ほら。火傷しちゃうよ?」
「こんな小さな火じゃ、火傷なんてしないよ」

取り繕いながらも灰を落とす。
なのはは苦笑しながら、上着のポケットから何かを取り出した。

「そんな言い方だめだよ。どんなに小さくたって、火は火なんだから」

ぱちん、小さな音を立て蓋が開かれ、短くなった煙草が仕舞われる。
携帯灰皿。なのはは煙草を吸わないから、びっくりした。

持ち主に似合わないそれはとても可愛いデザインで、不思議と、なのはのものでもおかしくはないと思った。
そのままポケットに仕舞うのかと思いきや、はい、と押し付けられる。

「あげる。私は、使わないから」
「あ……、う、うん。ありがとう」

それから、もう一つ。
紛らわせるなら、こっちの方がいいよ。そう言って手渡されたのは――

「……飴?」
「新発売。美味しいよ」

笑って。包み紙を解いたなのはは、口元に飴を運んだ。
からり。歯に当たって小さな音が立つ。

どうしようか迷って、同じように包みを解く。
飴なんていつぶりだろう。太陽の光を浴びて、半透明な赤色がガラス玉のようにきらりと輝いた。
恐る恐る口に含むと、舌先が鈍っているにも関わらず蹂躙するような甘さが広がっていく。

「美味しい?」
「うん」

向けられた笑顔に、甘さでしびれながら頷く。
よかった。はにかむように笑って。

「口寂しくなったら、言って。飴くらい、いつでもあげるから。ーーああ。もう授業、終わったね?」

隣に座っていたなのはが、ゆったりと立ち上がる。
フェイトちゃんも、せっかく来たんだから講義出なきゃだめだよ?って。なのはは笑って。

「それじゃあ、またね?」










隣がいなくなったせいか、身体に当たる風が妙に冷たい。
1人きりになった屋上で、空を見上げながらぼんやりとそんなことを考えた。
握ったままの携帯灰皿を思いだし、そのままポケットに無造作につっこむ。

何度息を吐いても、胸の痛みは治まらない。
やけどを負ったような痛みに手をあて、項垂れるように柵によりかかった。
受け取った飴の袋を丸めようとして、けれど思い直して皺を伸ばす。
なくさない様に、煙草の箱の中に入れなおした。

本気じゃなかった。いつも通りの常套句。
言葉のキャッチボール。
ただのじゃれ合い。

「……どんなに小さくても火は火、……か」



――まるで狼少年だ。なんて。
似合わないことを考えた自分に苦笑を零し、すっかり小さくなった飴を噛み砕いた。



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プロフィール

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