スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

息抜きなSS。



風花行き詰ってますウヴォアー。

とりあえず、息抜きに短編をば。
王道ネタでやってみようということで、執事×お嬢様なパラレルです。
フェイト25×なのは16歳。

なんかアレな感じで申し訳ございません(><)






高町の家に拾われて十余年。

孤児の私が独りこうして生き延びられたのは、全てひとえに当主様のお陰だと思っている。
情けをかけてもらって、家族同然に私を見守ってくれたその想いは、きっと一生かかっても返せないだろう。
だから少しでもその恩を返すため、私は高町のお家の為に、なんでもしようと決めていた。
私の一生を、高町の使用人として過ごそうと思っていた。

なのに。

愛して、しまった。
けして愛してはいけない、その人を。





【どうせ立てるなら、誓いよりも爪を】





眠れないから、紅茶を淹れてほしい。

そう連絡が入ったのは、午前一時を少し過ぎようかという時間帯だった。
専属のメイドではなく一介の執事である私に。その指名に、嬉しさと同時に私は酷く動揺していた。

あえて、夜は避けていたのに。……もし今度あんなことをされたら。
思い出し、頬に熱が灯る。けれど、お嬢様のお願いとあっては断ることなどできるはずもない。

今までもずっとこの想いを我慢できたんだ。だから。
これからも、大丈夫。……私には、そうするしか、ないのだから。

つきり。胸に痛みが走る。
けれどそれに気づかないふりをして、ハンガーにかけてあった指定の燕尾服に袖を通した。


「はい。フェイトさん。お嬢様に宜しくね?」
「すみません、ありがとうございます」


連絡を聞いていたメイドさんから手渡されたのは、お嬢様がよく常飲しているというハーブティー。
聞けば、このところ、お嬢様がよく眠りにつけないらしい。これで三日目だとメイドさんは心配そうに眉を下げた。
どうしたんだろう。何か、あったのだろうか。様子を思い出しても、特に変わったところはない。
何か不安ごとでもあるのだろうか。

それならと、内緒でブランデーを垂らす。
本当はいけないことなのだけれど、私もこうするとよく眠ることが出来た。
銀のお盆にそれを乗せ、香りと熱が冷めないうちにと足早に部屋に急ぐ。


「お嬢様。お持ちいたしました」


とんとん。いつもより控えめにドアをたたくと、奥からどうぞと小さな声が聞こえた。
それだけで簡単に乱れてしまう胸の内を漆黒の燕尾服に押し隠し、失礼しますとドアを開く。


「こんな時間に、ごめんね?」


声の先に首を振り、音を立てないようにドアを閉める。
息を吐くと、微かな優しい香りが鼻腔を掠めた。

求めて止まない、匂い。

そのまま時を過ごしていたのだろうか。部屋の明かりは付けられておらず、薄暗かった。
僅かに開いたカーテンが揺れ、隙間から漏れた月だけが明かりを灯している。
転ばないように慎重に足を運び、サイドボードにあるテーブルランプに明かりを灯す。

照らされた白い肌と、深く蒼い綺麗な眼。


「いいえ、どういたしまして。冷めないうちに、どうぞ?」
「うん。……ありがと」


とくん。高鳴った胸に瞳を逸らすと、カップを置いた手に彼女の指が触れた。

弾かれるように視線を上げる。

息苦しさからか僅かに開かれた首元は、白磁の肌が僅かに覗き見えて得もいえない色香を放っている。
動かされた肩口から流れた亜麻色の髪がシーツを彩り、その全てがまるで西洋の絵画を思わせた。

――ああ、やっぱり、綺麗だ。

こうして陽の下以外で見ると、それが殊更顕著になる気がした。
綺麗、可愛い。そんな大人と子どもの一面を内包した彼女からは、幼かったあの日々は想像することもできない。
二人はしゃいで手を取り合い遊んだ過去など、まるで夢のようだった。

ダメだ。こんなことを考えたら。
この人は、大事な、お嬢様だ。

早く戻ろう。理性を保っていられるうちに、早く。
けれど私の焦りを知ってか知らずか、彼女はカップを持った私の手を離してくれなくて。


「……どうか、なされましたか?」


その答えは、ない。
もう一度開こうとした唇に、柔らかいものが触れた。一瞬、だった。
身を乗り出した彼女の腕が、私の首の後ろに回されて。


「んぅ……、っ」
「……は、ぁ」


時折角度を変えられ掠めた吐息が、ひどく甘い。
啄ばむ様に触れられる温度に、くらくらと眩暈がした。

ああ、君は、ずるい。
そうやっていつだって、簡単に私の心を乱していく。

そのまま身を包んだ痺れに、身体をゆだねようとして。
瞳を閉じると、ぞくり、と。震えが走った。

――ダメだ。
どこか遠い声に、瞳を開く。

愛したい。けれど、愛せない。

なされるがままその口付けをただ受け止めていると、私の様子を伺うように瞳を開いた彼女と視線がかち合う。
その瞳に移りこんだ自身は驚くほど冷静な顔をしていて、自分のことなのに白状だとさえ思った。

けれど、そうするしか、なかった。

これが初めてではない。けれど、いつからだったかは解らない。
悪戯好きの彼女は、人の目を盗んでは、事あるごとに私にそうしてきた。
幼い日の私のままだったら、顔を真っ赤にしてひどく取り乱したことだろう。けど。


「お嬢様。お戯れが過ぎますよ?」


唇を外し、ゆっくりと、笑う。
何よりもそうすることが、正しいと思ったから。


「フェイトちゃんは……こうされるの、嫌じゃ、ないの?」
「海外では、キスは挨拶ですよ?」


軋む胸で、表面上はこともなげにそう告げる。
動揺していると悟られることは、絶対にあってはならないことだった。

私の言葉に、目の前の彼女の顔がゆがむ。


「フェイトちゃん、は。……他の誰かともこういうこと、したことある、の?」
「それ、は……」


そんなわけ、ない。例え挨拶だって。こうしたいのは、君しか居ない。
胸を張ってそう告げられるなら、それはどんなに幸せなことだろう。


「……っ、わっ」


苦笑を零した私に何を思ったのか、急に腕が引かれた。
崩したバランスを立て直そうと腕を伸ばす。きしり。スプリングが軋んで、その身がベッドに投げ出された。
先ほどよりも鼻腔を満たす香りと、身体に触れる柔らかな温度。

まるで私が彼女に覆いかぶさるような形のそれは、きっと他の者が見たら懲罰ものだ。
いや……それよりも、もっと酷い。このお屋敷にいることすら叶わなくなってしまうだろう。

慌てて身をよじると、逃がさないとばかりの彼女の腕に力が篭る。
力では私のほうが上だ。外そうと思えば簡単に外すことは出来るのに。
けれど何年ぶりかに触れた温度は、代替品の妄想の中よりも、心地よくて。

ただ、愛しさだけが溢れた。
だめだ。だめなのに。


「……っ、離して、下さい。お嬢様」
「前みたく、名前で呼んでくれなくちゃ、嫌だよ」


なのは。許しを請うように名を呼ぶと、なのはの頬が緩む。
やっと名前、呼んでくれたね。そんな言葉と、ともに。

思わず泣きそうになった頬を、きつくかみ締める。
ねぇ。フェイトちゃん。なのはは、笑って。


「挨拶で、いいから。フェイトちゃんから、キス、して?」


お願い、なのは。そんな顔をして、笑わないで。
いつもみたく。太陽みたく、あったかく笑ってよ。


「なのは」


そっと触れると、長いまつげが震えた。
そのまま伏せられた瞼を親指の腹で撫でて、柔らかな頬へ。
しっとりとした肌が心地よく、それだけでとろけるような幸せが溢れた。

安心しきったような表情と、高潮した頬。可愛い。素直にそう思う。
この愛おしさを、想いを、一体なんと表現すればいいんだろう。
好きだけじゃ、愛してるだけじゃ足らなくて。

けど。

少しだけ持ち上げると、ひくりと喉が震えた。
おとがいに、口付ける。

そのまま離れた唇に、なのはは苦しそうに瞳を細めた。


「だめですよ。あまり、大人をからかわないで下さい」
「私、もう十六歳だよ?」
「子どもじゃないですか」
「九歳しかかわらないじゃない」
「それでも、です」


問答に、面白くなさそうになのはが頬を膨らませる。
ぐらりと揺れた理性に、歯を立てて、笑う。

これ以上触れたら、もう、我慢できそうに、ないから。
だからお願い。もう、触れないで。


「あまり我侭が過ぎますと、いつか悪い狼さんに食べられてしまいますよ?」


意外と純情ななのはのことだ。余裕たっぷりにそういえば引くと思っていた。
だから、できるだけ低く耳元で告げた。身の危険を知らせるように、わざと。

けれど引き寄せられる。強く、強く。
ねぇ。掠れた声で。


「食べてくれるの?」


すがる様な言葉に、困ってしまって。
どうすることも出来ずに笑うと、なのはの頬から一筋涙がこぼれた。


「なの、は」
「フェイトちゃんの、バカ」


どうしてなの。小さくつぶやかれた、その言葉。
ずるいよ。なのはは何度も言った。


「ねぇ、お願い。いいかげん、気づいてよ」


長い長い、息を吐くような、言葉。
零れた嗚咽が、シーツに流れて、消えて。

好きだよ。大好き。愛してる。
うそじゃない。だけど。だけど。


「命の恩人でもあるご当主様を、裏切るわけにはいかないのです」
「……っ、う」


いくじなし。そういって、なのはは泣いた。
私は何も返せる言葉がなくて。


「お願い……愛してるって、言って」


抱きしめて、名前を呼んだ。
何度も、何度も。


「なのは」


告げられない、愛してるの変わりに。




END
---------

なぜか珍しくネタが降臨したので書いてみました。タイトルはノリで。

「食べられちゃうよ?」「食べてくれるの?」の下りが書きたかっただけですすみません。
しかしこれ、なのはさん視点で見たらフェイトさんただの嫌なやつだわ……。



スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

WEB拍手
感想やリクエストなど頂けたら嬉しいですw  返信不要の方は頭に×をお願いします
プロフィール

汐薙

Author:汐薙
初めまして、汐薙と申します。
魔法少女リリカルなのはで活動中。

主な取り扱いカップリングは
フェイト×なのは
はやて×なのは です。

リンクフリーですので、貼るも剥がすもご自由にどうぞw
一報を頂けると管理人が喜びますw

【ご注意下さい】
当サイトにて掲載されているイラスト
または、テキストの無断転載・使用は禁止とさせて頂いております

カレンダー
08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
カテゴリー
メールフォーム
何かありましたらどうぞ。

名前:
メール:
件名:
本文:

捕捉サイト様
イラストサイト様
SSサイト様
お世話になります
最近のコメント
FC2カウンター
その他
RSSフィード
By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。