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【あなたに向けた、精一杯の強がりは。】


本日2回めの更新です!(><)ノ

久しぶりの短編で、なのは→フェイトかな、と。
なのはさん視点です。


あまりまとまりがなくて申し訳ありませんが、
仕方ねえ、読んでやるかと心の広いお方だけ続きから宜しくお願い致します(><;)



カーテンを引いて、空を見上げる。
視界の先には、光を弾きながらひらひらと舞う、雪の欠片。

雨を混じらせながら降り出していた雪は、夕刻を過ぎた辺りからいつの間にか形を変え、
更に粒を大きくしていた。漆黒の空から注がれるそれは、まるで綿毛のようにふんわりとしている。

楽しそうに空を舞うそれに導かれるようにして、そっと窓を開けた。


「――わっ、」


瞬間、肌を刺すような温度に身を竦める。

寒いのなんて、分かっていたのに。

そっと指先を伸ばせば、手のひらに雪片が一つ触れた。
自身の体温で溶かされ形を崩した氷の結晶が、玉を作って肌を伝い落ちていく。

冷たい風が、頬に触れる。

墨を流したような漆黒の空に浮かぶのは、やや黄みを帯びた弓張り月。
よほど空気が澄んでいるのだろうか。降り注がれた光がとても綺麗だ。
まるで絵に描いたような幻想的な世界の中で、風に流されひらひらと舞う雪片が、音もなく路面へと落ちていく。
じんわりと積もり始めたそれは、見慣れたはずの景色を全て白銀に染め上げていた。

まさか雪が降るなんて、思っても見なかった。
コートを持っていっていないことを思い出し、不安が胸を掠める。

彼女がいる次元世界は、寒くないだろうか。


「フェイトちゃん」

彼女の声を、体温を、眼差しを思い出してしまって。
心が、震えた。


「フェイトちゃん」


――どうしよう。


会社帰りの、少しだけ疲れたようなサラリーマンの姿とか。
学校帰りで、お腹を空かせた学生とか。

いつもならそれなりに賑わっているはずの通りは、今は誰もいなくって。
遠くの方で、コンビニエンスストアの明かりが頼りなく揺れているだけで。

いつもなら聞こえるはずの音が聞こえてこない、しんと静まりかえった世界。
まるで、全ての音がその白に埋もれられてしまったかのようで。

静寂が、耳に痛い。


「……まだ、寒いね?」


心もとなくなって、声を出してみる。

答えがなく、しん、と。静まりかえったままの部屋。
いつもなら大丈夫なのに。怖い、と、思ってしまった。

色も、音も、声も。
降りしきる雪が、全てを覆い隠していく。



どうしよう。
まだ、会えないのに。


「……フェイト、ちゃん」


――どうしよう。

好きなだけじゃ埋まらない、物理的な距離。
今はどう足掻いたって無理だって、わかってるのに。

こんなにも、あなたに会いたくなるなんて。



【あなたに向けた、精一杯の強がりは。】



特別に、何があった、という訳ではない。

お仕事を終えて、自宅へと戻って来て。
ご飯を作って、食べて、お風呂に入って寝る準備をする。いつものことだ。
それでもあえてと言うなら、一緒に暮らしているフェイトちゃんが不在なだけだろうか。

けれど、フェイトちゃんはお仕事上でよく家を空けることがあったし、
だからそれもいつものことと言えば、いつもの事だった。


『行って来ます、なのは』
『うん。いってらっしゃい。頑張ってね』

今回の任務は、最低でも1ヵ月はかかると聞いていた。
それでも短いほうだとは分かっていたけれど。学生時代に一緒にいた時間が長すぎたせいもあってか、
内心少しだけ寂しいと思ってしまったのは、フェイトちゃんには言わなかった。

優しいフェイトちゃんのことだ。
言ってしまったら、気にしてしまうんだろうから。

危険な仕事だ。

精神、肉体。――ほんの少しの揺らぎが、命を落としてしまうこともある。


だから、平気な振りをして。
精一杯の笑顔で、これからお仕事に向かうフェイトちゃんを見送る。

『……行って来ます、なのは』

何度目かの挨拶。

出発時間が迫っているというのに、フェイトちゃんは中々玄関を出たがらなくて。
鞄を持った手とは逆の手で、ぎゅって、私の手を繋いだままで。


『……なのはと離れるのは、やっぱり寂しいな』


笑い混じりに、けれど眼に少しの寂しさを滲ませたまま、そう言った。
言葉とは裏腹に腕時計を確認する辺り、お仕事に真面目なフェイトちゃんらしい。


『もう。ほら、早くしないと。シャーリーさん、待ってるよ?』
『うん、そうだね。……それじゃあ、行って来ます』

頑張ってね、と。無事に帰ってきてね、の想いを込めてキスをして。
朝焼けの空に向かって走る、黒い車を見送った。



あれから、二週間と少し。

あと二十四時間。1日が終わって。
そして、一枚紙を捲れば、暦が変わって。

春といわれる季節なのに。
どういうわけか、今日は雪で。

しんって静まり返っていて。だけど、夜だから当たり前で。
でも、そういうことじゃ、なくって。

二十五時を回り、すっかり宵の帳が居りきって。
月さえも眠るような時間なのに、眠れなくって。

冷たい布団の中で一人、隣の空白を抱き締めたまま目を閉じたままで。
寝なきゃ寝なきゃって思うたびに眼が覚めてしまって。

うっすらと眼を開くと、視界の端に雪とは違う白いものが映りこんだ。
月明かりに晒されたそれは、ハンガーにかけられたままのフェイトちゃんのシャツで。
鼻腔に触れたふんわりとした香りは、会いたくてたまらなかったフェイトちゃんのものだった。

「……フェイトちゃん」

冷たいシャツを抱き締める。
つるりとした生地に鼻を埋めると、まるでフェイトちゃんに抱き締められているような気さえして。

安心したせいか、急に睡魔が意識を侵食しだした。


『……は』


とろとろと眠りに落ちる寸前。

抱き締めていたシャツが、自身の体温を吸い込んだせいだろうか。
温かいものに包み込まれているような錯覚を覚えた。

鼻先を埋めてみる。
温かくて、柔らかくて。

凄く、気持ちいい。

『お休み、なのは』


夢へと沈み始めた片隅で。
私の名前を呼ぶ、優しい声を聞いた気がした。





……END?
-------------
雪の降る夜って、綺麗だけど少し寂しいですよね。と、そんなこんなで書いてみたり。
書く時期が遅すぎですねわかります orz

なのはさんは、甘え下手っていうわけではないんだけど、でも素直には甘えられない、みたいな。
フェイトさん視点に続きます!……多分←ぇ

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