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【私の彼女 ~続編~】

【私の彼女】の続編です~。15フェイト×19なのはのパラレルSSです。




==========

しん……と静まり返った室内で、泣き声が聞こえる。
押し殺したような、でも止められないような……そんな声。

ああ、彼女のそんな声なんて……聞きたくないのに。


大丈夫だよ、そう言ってその頬に指先で触れると
涙で濡れたそこは、とても温かかった。

――……まるで、彼女の心みたいに。

「大好きだよ」

なるべく優しく、でも自分の中にある大きな想いを
言葉に乗せて紡ぎだす。

それは私の中でずっとずっと、変わらないと誓えるもの。

「だから、泣かないで?」

撫でていた指先が、ふと、震える小さな手に包まれる。
そこにあるのを確かめるようにぎゅうっと痛いくらいに握られ、
それがまた彼女の不安の強さを表しているのかと思うと、切なかった。

「不安に、ならないで」

その握られた手を自分の口元へ寄せて。
真っ白になるまで力が込められたその指元の一本一本に
柔らかくキスを落としていく。

何度も何度も続けていくと、次第にその手から力が抜けていくのを感じた。
先ほどまで強く握られていた私の手の甲はその指の形を残し、少しだけ赤い。

「……ごめんなさい……、こんな……」

―ー……その痕に柔らかい感触が、触れる。

瞬間、少しだけびりびりと甘い痺れが身体を走り、
くすぐったさに身を捩ると、手の甲にぽたりと涙が零れ落ちるのを感じた。

「……ごめん、なさい……」

吐息がその手を掠めて、再度また柔らかい感触に触れられる。

まるで赤くなったその痕を消そうとしているかのその動きに、
本当にそれで薄れていくんじゃないだろうか、と
甘い痺れに捕らわれた思考の片隅でぼんやりと考えた。

「フェイトちゃんは何も悪くないんだよ?だから、謝らないで?」

まだ幾分震えているその身体を腕の中に包み込む。
ぎゅうっと抱きしめると、背中に回された腕に力が入るのを感じた。

***

キーンコーンカーンコーン。

甲高い鐘の音が室内にも響き渡る。
壁にかかっている時計を覗き込むと、もう5時を過ぎたところだった。

「は~い、じゃあ皆、今日はここまでね」

そう号令をかけると、ありがとうございました!という言葉と共に、
数人の学生の子達に囲まれた。うん、やっっぱり中学生の子達は元気だなぁ。
一つ一つの話に相槌を打ちつつ、その話題に耳を傾けていく。

すると背後から、もう暗くなるから早く帰りなさいね~と先生の声が聞こえてきた。
その言葉に「え~」なんていいつつも、きちんと帰りのしたくとしている子達。
うん、なんか素直でかわいいなぁ、なんて思いつつその様子を見守る。

しばらくそうしていると、聞きなれたあの愛おしい声が背後からした。
振り返ると、制服に身を包んだ大好きな私の彼女。

「あの……なのはさん」
「あ、フェイトちゃん。お疲れ様~。」

その姿に自然と頬が緩んで笑顔になるのを感じた。

「お疲れ様です、あの……っ」

ふと、何か言いたそうにぐっと見つめられて。
どうしたの?揺れるその瞳を見つめながらそう聞くと

「えっと……あの」

「ハラオウンさん!帰ろう?」
「えっと…今日は、ちょっと……」

同じクラスの子と思われる数人の子達にそう声を掛けられたフェイトちゃんは
そのままなんだか困ったように私の顔を覗き込んだ。

「フェイトちゃんも暗いから気をつけて帰るんだよ?」
「っ……は、い」

その子達にさようなら~と挨拶をされて、手を振ってその返事を返す。
すると急に誰かに肩を叩かれた。

びっくりして振り返るとしてやったりの笑顔をしている、彼女の姿。

「なのはちゃんもすっかり先生って感じやな」
「そんなんじゃないよ~。」

はい、と何かを手渡される。
何気なく手に取ったその熱さにびっくりし、思わず両手で
キャッチボールみたいにしていると、何やそそっかしいところは
全然変わらんのやなぁ、と笑われた。

「む……いきなりなんだからびっくりするに決まってるってば」

手が大分その熱さに慣れたころ、手のひらの中に納めてある
それを見れば、ふと懐かしい思いに捕らわれた。

見慣れたラベルの紅茶。
私が中学生の頃、お気に入りでよく飲んでいたものだった。

「わ……まだあったんだ?コレ」
「さっき下の自動販売機で見かけてな?よく飲んどったやろ?」

カチカチとプルタブを弄っていたその指先は、彼女がよくしていた癖。
そうだね、と笑いながらタブに指先を引っ掛けて缶を開けると
しん、と静まり返った室内にプシっと小気味よい軽い音が響き渡る。

「しかしまさかはやてちゃんも呼ばれてたとは思わなかったな~」

来るとは思わなかったよ、そういいながら一口。
冷え切った身体にその甘さがじんわりと広がっていく。
ふぅ、とため息を吐くと、隣からはくすくすと可笑しそうな声が聞こえてきた。

「どうせ休み中は暇やからね。夏は来れんかったし、まぁええかなって」
「そっか。そう言えば夏は私一人だったんだっけ……」


今大学は冬休みよね?またお願いできないかしら?
母校の先生からそう電話がかかってきたのはおとといの話だった。

う……またか、と思いつつも、前回もとても楽しかったので2つ返事でそれに答えて。
来てみるとそこには予想もしなかった懐かしい顔。

「久しぶりやな~、なのはちゃん」
「はやてちゃんっ!?わ~久しぶりだね~!!」

中学時代の親友に会えた嬉しさに場所を忘れてはしゃぐと、
先生に「こらこら、再会の喜びは後にしなさい!」と笑われて。
あ…そういえば学生のたちの前だった、そう思い出すまでに時間はかからなかった。


「なんや懐かしいね」
「うん、なんか中学時代に戻った感じかな」

笑いあいながらふと外を見ると、もうすっかり暗くなってしまっていた。

……そういえばもうフェイトちゃんは家に着いたかな?
友達と一緒にいたから大丈夫だとは思うんだけど……。

耳元に、学校に行くことを伝えた電話先から聞こえてきた嬉しそうな声が蘇ってくる。
昨日はあんなに嬉しそうだったのに……なんだか今日は元気がなかった気がする。
どうしたんだろう?調子が悪かったのかな……今日また電話してみようかな……

また紅茶を一口飲みながらぼんやりとそう考える。

フェイトちゃんが年相応に友達とはしゃぐ姿を見るのは新鮮で凄く楽しい。
だけど……やっぱりなんだかちょっとだけ淋しくて。
うう……やきもちなんて情けないなぁ。

はぁ、ため息をひとつ。

そろそろ帰ろうか、というはやてちゃんの言葉に頷いて立ち上がると
椅子に置いてあった鞄が倒れ、かたん、とリップクリームが床に転がる。
慌ててそれ追いかけて拾い上げると、なんだか胸が騒ぐような気配を感じた。

隣の部屋。
……ここは音楽室だから……楽器室だろうか?

壁に手で触れると……とくん、と鳴る心臓。

「……はやてちゃんごめんね…先、帰ってもらっていいかな?大丈夫??」
「私は平気やよ。シグナムが迎えに来てくれるし、だけどなのはちゃんは平気なん?」

うん、私は大丈夫だからごめんね、そういい残して部屋を出る。
……向かった先の楽器室は薄暗く、電気もついていなかった。

「……気のせい、かな」

でも、確かに感じた。
間違いなく、確かに。

きゅっと冷たいノブをひねる。
ぎぃ…っと音を立てて大きく開いた視界に広がるのは薄暗い闇と。

「……どうしたの、こんな、ところ…で」

すこしづつ明るくなり始めた月と同じくらい綺麗な、金色。
しゃがみこんで膝に埋められたその顔は、今は見ることが出来ない。

「帰ったんじゃなかったの?フェイトちゃん」

近寄ってそのそばにしゃがみこむとその身体が小刻みに震えているのが分かった。
そっとその肩に触れると、びくん、と大きく跳ね上がって。

「……ごめんなさい……」

耳を凝らさなければ聞こえないような小さく、掠れた声。
どうしていいのか分からずにぎゅっと抱きしめるとその震えが更に増した気がした。

「もしかして一緒に帰るはずのお友達と喧嘩しちゃった?」
「……違う…」

その頭を何度かなでていると、なのはさんと一緒に帰りたかったんだ……と。
また掠れた声が、しんと静まり返った室内に響き渡る。

「いいだせなくて……、こんな遅くになのはさんも一人で帰るなんて危ないかなって…
 そう思った、けど。……はやて、さん……居て。ど、して…いいか…わから、なく、て」

……私はなんてばかだったんだろう……。
その言葉を聴きながら、自分の発言を思い出す。

『フェイトちゃんも暗いから気をつけて帰るんだよ?』
『っ……は、い』

心配してくれた彼女を結果的に突き放したのは――……私だ。
はやてちゃんに会った懐かしさで、フェイトちゃんの想いに気づかなかった。

「何、やってたんだろうね……私。……ごめ、なのは……さ」
「……フェイトちゃんは何も悪くないよ」

――……こんなにも私のことを、心配してくれていたのに。

「勝手に待ってて。なのはさんと楽しそうに話してるはやてさんに
 勝手にやきもち、やいて。…なん、で……こんなに……子供、なんだろ……。
 こんな、じゃ…なのはさんにふさわしくないって…。自分が、情け、な……」

――……こんなにも、想ってくれていたのに。

「なのは…さんが……はやてさ、……好きになっちゃったら……どうしようって、
 そんなこと、ばっかり……ぐるぐる、考えて…ばっかり、で……」

涙で濡れるその頬に指先で触れる。
ゆっくりと何度も撫でていると、震える手に包まれた。

***

「フェイトちゃん、こっち……向いて?」

指先の代わりに、涙で泣き濡れた頬に唇を寄せる。
いきなりのことに驚いて固まってしまった彼女を抱きしめたそのままに
私より少しだけ低い位置にあるそのおでこにキスを一つ。

瞼、鼻筋、頬っぺた、そして唇。

彼女の不安を溶かせることだけを願って。
――……何度も何度もキスを落としていく。

啄ばむように上唇と下唇に触れると、ゆっくりと薄く唇が開かれたのを感じた。
とまどうように伸ばされた柔らかい舌に、ゆっくりと寄せていた唇をつつかれ、
それに答えるように自分のそれに絡めると静かな室内に水音が響く。

ちゅ……ちゅぷ、

目を開くと、いつもより少しだけ幼く見える彼女の顔が映りこむ。
すでに目を開いていた彼女と視線がかち合い、恥ずかしくなって
また目を閉じると先ほどよりも強く絡みあったのを感じた。

「ん……ふ…っ、ぁ…む」
「…んぁ…、む……」

甘い。

「……ごめんなさい…」

全てが、甘い。

「……大好きだよ、フェイトちゃん。だから、泣かないで」
「うん。……ごめんなさい」

彼女の全てが。

「……まだ、不安?」
「少し、だけ……」

彼女の優しい体温もその優しい瞳も。

「じゃあ…その不安が溶けるまで、フェイトちゃんのしたいことしてあげる」
「……ん………」

「ぎゅって抱きしめて、頭撫でてあげようか?」

抱きしめていた彼女の頭を再度緩やかになでる。
その綺麗な髪を梳いて月の光にかざすと、光を反射してよりいっそう輝いて。

「子供あつかい……しないで」

その手を外されて、ゆっくりと手のひらにキスを落とされる。
吐息が掠めて、身体に緩やかに甘い痺れが走り出した。

「……フェイトちゃんの好きにして……いいよ」
「ん……」

震える言葉と共に、いつもより熱い手に触れられて。

触れられた部分からフェイトちゃんの熱が与えられ、
それが私の中にあった熱を引き出して

――……もっとずっと。強く、熱くなっていく。

「なのはさん……寒くない?」
「少し……」

その言葉に、ごめんねと謝られて。
前のボタンは全部外さずに、裾から差し入れされたその手にお腹を撫でられた。

「なのはさん、もっとぎゅっとして?……私に、触れてないところがない位に」
「……っ、ん…っ、……こうかな?」

「ありがとう。う~なのはさんは本っ当可愛いなぁ」
「む、こら。さっきまで泣いてたのに何かな、その余裕は」

「ふふふ……そうだね。自分でもおかしい、かな」

嬉しそうに目を細められて、唇を寄せられたその瞬間に。
私の意識は――……強い熱に、飲み込まれていった。

その中で唯一覚えているのは、優しい彼女の瞳と熱いくらいの指先。
いっぱいいっぱい繰り返される泣きそうなくらいの「大好き」と。

それと同じ位いっぱいいっぱい繰り返した、泣きたくなるくらいの

「大好き」


そして本当に嬉しそうな彼女の、笑顔だけだった。


END
---------------------
新年初めに、企画以外にいちはち書きません宣言したので……はい。
中途半端な終わり方ですみませんです;

収拾がつかなくなって途中で投げました orz
ああああ……すすす、すみませんっ!

【私の彼女】の続編です。
テーマは「やきもち」で。

大きいフェイトさんはもう余裕攻めですが、小さいフェイトさんは
常にいっぱいいっぱいで、泣きそうになりながらの攻めって感じが
汐薙の中には何故かあります。

……なんでだろう??

しかしはやてさんの扱いがひどいよ、これ。
ごめんね、はやてさん。長パロでは大活躍なので許して下さい(土下座)
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プロフィール

汐薙

Author:汐薙
初めまして、汐薙と申します。
魔法少女リリカルなのはで活動中。

主な取り扱いカップリングは
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