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【Cube sugar and a sweet kiss】


今年一発目の短編です!
あ、ちょっと長いのでご注意を(><)ノシ

フェイト×なのはです。


大丈夫、という方のみ続きからどうぞ!w




口にすれば、君を思い出す。



【Cube sugar and a sweet kiss】



長い時間向かい合っていたモニターを消すと、今まで目を焼くようだった
青白い光が小さな音と共に途切れた。視線をずらしてガラス越しに外を窺うと、
いつもと変わらない、音立たず波も立てない真っ暗な海と。そこに静かに光を放つ星々。
それらを何気なく見つめていると、星の瞬きが少しだけ霞んだようで思わず目を瞑った。

ゆっくりと机の上に視線を移す。かちかちと規則正しく時を刻む秒針の音。
初めて見る人にはアンティークだと珍しがられる、電池で動くアナログの目覚まし時計。
海鳴にいた頃になのはからもらった物だ。

どうして時計なんだろう?

貰ったときは不思議に思ったけれど、嬉しくて。その意味は、後に母さんから聞いた。
思い出すと、あの頃のように赤面はしないけれど、少しだけくすぐったくなる。

鈍く光を放つそれにそっと指を這わせると、冷たい温度が皮膚を通してしみこんで来た。
柔らかな曲線を描くフレームをなぞりながら、ふとなのはの笑顔を思い出す。

「あれから……一緒に過ごす時間、短くなっちゃったね」

執務官になって本格的に任務を請け負うようになってから、私は海に居ることが多くなった。
年の半分は船の中で、帰ってからは任務の報告、または事故処理で地上本部へ入りびたり。
大地に足をつけるのは、年に何回あるんだろうか?

この間なのはに逢ったのは、一体いつだったろうか?

なのはのことは一秒だって忘れたりはしないけれど。なのはは、どうなんだろう?

「なのは。なのは……なのは」

名前を呼んでは。返事の返らないその声が静寂へ飲まれていく。
……なのはを感じることが出来ない海の中は、やっぱり少しだけ冷たかった。
やっと馴れたと思った長期任務も、どうやらまだ馴れてはいなかったらしい。
任務中はそんなことはないけれど、こうした持て余した時間の中では、
早くなのはに逢いたいな、そんなことをいつの間にか考えている。

一緒の時を、刻んでいたい。

なのはと交わしたその約束を、私は幾度もふいにした。
仕事だ。わかってる。私はこの仕事に誇りを持っている。後悔なんて、絶対にしない。

けれど。

「君に……逢いたいよ……」

無理でも、せめて声だけでも聞きたかった。
モニターを開いて。けれどすぐに消す。

時刻は、午前1時を少し回ったところだった。
なのはもきっと数時間後には仕事だ。こんな時間に連絡を取っては、きっと迷惑に違いない。

「……逢いたい」

そんな自分の想いに、ため息を一つ。

艦内に割り当てられた個室は当たり前のように私以外には誰も居らず、
自分の耳には、壁に反響した掠れた声と、そしてため息が一つ聞こえてくるだけだった。

ふと。それを遮るように、こんこん、と小さくドアがノックされる音が響く。

「どうぞ。……開いてます」

薄く開かれたドアから覗いたのは、

「お疲れ様です。フェイトさん」
「うん、シャーリーもお疲れ様。平気?」

少しだけ疲労の色が見える彼女は、にっこりと頷くとまだたっぷりと湯気の立った
カップを机の上に置いてくれた。ふんわりと香ばしい香りが室内に広がっていく。

「フェイトさんも、適度に休憩とって下さいね?」

なのはさんからもよく言われているんですから、と。
その笑顔と言葉に思わず少しだけ首をすくめる。

「うん、ありがとう」
「どういたしまして。では、おやすみなさい、フェイトさん」

「うん、お休み」

ひと時の会話を経て、また静寂が訪れた。
先程までとは変わらない室内の中で、一つだけ変わるのは、湯気をたてたカップ。
シャーリーがくれた気遣いに感謝しながらカップの取っ手に指をかけて持ち上げると、
その影から小さな何かが映りこんだ。

「……?」

なんだろうと持ち上げてみると、蛍光灯の光を弾くガラスの小瓶。
白と、淡い茶色の小さなブロックが交互に入れられていた。ゆらゆらと瓶を揺らしてみると、
個別にセロファンに包まれた可愛らしいそれが、それにあわせてカラカラと音を立てて揺れた。

角砂糖だった。

私は普段砂糖は入れないのだけれど……これもシャーリーのくれた気遣いなんだろう。
一つだけ摘んで、セロファンを破る。現れたそれを指先で遊んでいると、

『疲れたときは、甘いものが一番だよ』


ふと、あの優しい声を思い出した。
――それは、懐かしいというには余りにも印象が強かった。



カタカタとキーを打つタイピングの音。
忙しなく画面に視線を這わせていると、ふと視界の端に深い色の髪の毛が移りこんだ。

小さく音をたてて捲られる、頁の音。乱れのない緩やかな呼気と、しとしとと降る雨の音。
背中越しに感じられる、少しの重みと柔らかな肌の温度。

なのはが頁を捲くろうと指先を動かすたび、出っ張った肩甲骨が柔らかく背中に感じられて。
仄かに軋むソファのスプリングと。鼻腔を擽る、香水ともシャンプーともつかぬ甘い香り。
陽も落ち始めて少しだけ暗くなった室内に、目の前のモニターが放つ光だけが眩しかった。

「なのは。ちゃんと電気付けなきゃ、目に悪いよ?」

背中越しに声をかけると、んー。と生返事が返って来た。
少しだけ首を後ろに回しても、彼女の顔は見えない。だけど想像することは簡単だった。
きっと、面白くなさそうな、少しだけ拗ねたような顔をしているに違いない。

「もう少しで終わるから、ね?」
「んー」

変わらない返事に思わず苦笑する。気づけばもう大分時間が経っていた。
しん、と静まり返った静寂が心苦しくて、モニターを閉じる。

ふと背中に掛かっていた重みがなくなって。背中に触れていた温度が離れ、
代わるように外気が肌を撫でる温度に寒さを感じて。肩を竦める。
そんな私を他所に、なのははキッチンへと歩いていってしまった。

「なのは?」
「フェイトちゃんは待ってて」

少しだけ不安になってその後ろを着いていこうとすると、それをなのはに制された。
怒ってしまったんだろうか?そわそわとした落ちつかない思いでなのはを待っていると、
少し経って両手にカップを持ったなのはが戻ってきた。

「なのは、……怒って、る?」
「……うん、すっごい怒ってる」

カップがテーブルに置かれたのを見計らい、恐る恐る腕を真っ直ぐに伸ばし、細腰を抱きしめる。
腕を回して引き寄せると、柔らかな温度と甘い香り。そして、香ばしい匂い。

「少しは休憩、しないとだめだよ?フェイトちゃん」

はい、渡されたカップを手に取る。
一緒に持ってきた角砂糖をなのはがカップに入れるのを見ながら、私もカップの淵に口を付ける。
こくり、と口に含むと、舌先に程よい酸味と苦味が広がった。うん、美味しい。
胃に広がる温度に思わず息を吐くと、なのはが笑った。

「こら、フェイトちゃん。せっかく持ってきたんだから、ちゃんと入れなきゃだめだよ?」
「わわ……!」

ぽちゃん、と。小さな音を立てて角砂糖が沈んでいく。熱を吸い、ゆるゆると崩れていく角砂糖。
にっこりとなのはが笑った。もう一度カップに口を付けると、先程とは違い、甘さが感じられた。

「……うん、甘くて美味しいよ」
「……ん、」

そんな私を見ていたなのはが、何か思い立ったようにテーブルへと手を伸ばした。
瓶から角砂糖を一つだけ取り出し、指先で遊ばせるように転がしている。

さっきあれだけ入れていたのに、まだ入れるのかな?

なのはは甘党だなぁ、なんて微笑ましく見ていると、ふとなのはがそれに唇を寄せた。
艶やかな赤に、純白が覗く。目が合って、にっこりと蒼が細められて。

「……っ、」

なんだかその動作が妙に艶かしくて、思わず頬が紅潮したのを感じた。

「フェイトちゃん、」
「……ん、」

呼ばれた名前と。柔らかな、熱。

押し当てられた白を含むように唇を薄く開くと、触れた舌先につきりと甘さが掠めた。
ぬるり、と絡め取られた熱に、白がじんわりと蕩けて崩れていく。

いつものキスなのに。いつものキスじゃない。

不規則に擦れ合うざらりとしたなんともいえない感触に、背中が痺れた。
ひどく甘いキス。甘さを放つ白よりも早く、それよりももっと甘く私の思考が溶けていく。


「……ん、」

離れようとした舌先を、逃がさないように絡め取って。
絡めた舌先よりも強く指同士を絡めて。そのまま、ゆっくり体重を掛けソファへと縫いとめる。
ソファに収まりきれずにさらりと流れた髪の毛が、光を蓄えて床へと広がった。

「疲れたときは、甘いものが一番だよ」

合わせた唇の合間から、熱を帯びたなのはの声が聞こえた。
それが零れ落ちる前に掬って。口内へと飲み込む。

「……じゃあ、もっと……」


少しだけ覗く白い肌に唇を寄せる。
先ほどまでの角砂糖がまだ残っているのか、唇に触れたその肌は、ひどく甘かった。





「疲れたときは、甘いものが一番、……なんだよね」

誰に言うでもなく、ぽつりと。
指先で遊んでいた角砂糖を見つめながら呟く。
それを何気なく口に含むと、口内に広がる甘さと。崩れていく角砂糖。
ざらり、と舌先を掠めるその甘さが、あの時に感じられたものとまるで一緒で。

『フェイトちゃん』


なのはの笑顔と、声を思い出した。
そっと瓶を持ち上げる。そういえば、なのはが持っていたあの瓶にどこか似ている気がした。
くるりと瓶を愛でながら何気なく底を見ると、何かシールのようなものが貼られていた。

「……なのはったら……」

そこには。ミッドでは使われない、綺麗な見慣れた文字で。


[お仕事、頑張ってね!大好きだよ]


その瓶に頬を寄せながら、もうすっかり形を崩した角砂糖の甘さを思う。
あれほど寂しかった気持ちは、今はもうすっかり薄れていた。


END.
-------------------

今年一発目の短編です。しかし長い(ぉ

いや、先日休みの日に、暇そうな友人を拉致誘って遊びに行きまして。
喫茶店に入ってお茶を飲んでいたんですが、あまりにおなかが減っていたのかそれとも
単に天然なだけなのか(たぶんこっち)友人が目の前の瓶の中身をおもむろに口に含みまして。
汐薙「ちょwwwwwそれ角砂糖だよ?www(←分かってて見てた」
友N「ぶふ!」
本人曰く、飴かなにかだと思ったらしい。白とか茶色とかだったし、とのこと。

そ ん な ば か な !wwwww(笑

汐薙「いや、うん、間違えるよね、うん」
とフォローなんだか分からない言葉をいいつつ抱腹絶倒してたら
友N「お前も食え!!」
とか言われましてね。口元に突きつけられまして。
汐薙「ちょ、無理無理。だめっ!そんなおっきいの口にh(以下略」
とか言ったら。

割と本気で突っ込まれました(つ□T)ジョウダンナノニツメタイヨ

しまいには目の前にあったコップに爆撃。

ちょ、お前!これメロンソーダ!ああああああああああああ!


……残念ながら実話です。
頭が弱いことこの上ありませんねわかります(ぉ
あまり甘党ではない汐薙は口がびりびりしてました。

とまぁ、ここでわかったことが。
望まないことで口にする角砂糖は、ホント凶悪(いろんな意味で



そんなこんなでこのSSが出来上がった次第です(><)ノ
……ホント、なんてしょーもない理由…… orz


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>もっけ さん

遅くなりましたが、あけましておめでとうございます!
いやもう、嬉しいお言葉、本当にありがとうございます。光栄ですw
まったりとになってしまいますがご期待に沿うことが出来る様、今年も頑張ります!

角砂糖丸齧りは脅威でした。あれですよ、歯がもうこれ以上噛むことは
できないと悲鳴をあげているのがわかるのですよ……!(何
いやもう、汐薙とその友人は基本アホの子なのでエロスは欠片もないですよ!(笑



>水無月 さん

読んで下さり、ありがとうございました!
いやもう、頂けたコメント、本当に嬉しかったです(つ□T)
そうですね!きっとまいほーむに帰ったら反動で甘えん坊な狼化するのですよー!
なのはさんの寂しかっている姿は目に浮かぶようですよね orz
そしてその反動な分、なのはさんもノリノリで、もっと食べて的n(ry

って、なのはさん狙われ過ぎてる……!www
フェイトさんは頑張らないとですね!(笑

そして。な、なななあわわわわ……(*ノノ)
わ、私だって大好きさ加減なら負けないんだから……!(自重
本当にありがとざいました(土下座 近いうち汐薙もなにか甘いのを書いて
こっそり贈らせて頂きたく日々狙っておりますので宜しくお願いします……!(何



>nameless さん

遅くなりましたが、あけましておめでとうございますー!
そう!そうですよね!慣れちゃいけないんですよね!さすがnamelessさん!www
寂しさがあるからこそ熱い夜があるというものですy(SKB&ザンバー

なのはさんに「構って?」なんて言われてしまっては一撃必殺のリミットブレイk(ry
フェイトさんに自重なんて、ハナからないに等しいというかなんというかwwww
ああああ!メルトが……メルトがあぁぁぁ!(何

テンション高くてすみません orz
ホント、この友人は日々いろんなことをやらかしてます(笑

こちらこそ、コメント本当にありがとうございました!



>魔ぎゅなむ さん

こんばんは、コメントありがとうございます(^^)
いやいや、そう言って頂けると本当に嬉しいです、ありがとうございますw
汐薙も最近なぜか甘いものに飢えておりまして(笑
同じように他サイト様から糖分を吸収させて頂いてますww

いやいやいや、もうなのはさんの可愛さはまだまだこんなものじゃないかと……!
もっと可愛く書けるように勉強中です(><)
いやいや、攻めななのはさんもとてもいいと思いますよw
ありがとうございます。まったりと頑張って行きたいと思います!






WEB拍手
感想やリクエストなど頂けたら嬉しいですw  返信不要の方は頭に×をお願いします
プロフィール

汐薙

Author:汐薙
初めまして、汐薙と申します。
魔法少女リリカルなのはで活動中。

主な取り扱いカップリングは
フェイト×なのは
はやて×なのは です。

リンクフリーですので、貼るも剥がすもご自由にどうぞw
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