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【優しい煉獄 ~18話~】


………すみません、最終話まで載せるとか無理でした(土下座
ああああ!申し訳ありません!!

とりあえず帰ってきましたら、即行で編集して最終話をあげさせて頂きます!
おそらくは23日頃になるかな、と。

大変申し訳ありません orz

以下、長編です。
なのは視点になります。


大丈夫!という方のみ、続きからどうぞ!





ごめんなさいと、ありがとう。
そう言うと、きっとあなたは笑うんだろう。

どこまで届くのか分からないけれど。
言葉に込めた想いは、言葉の意味に消されてしまうかもしれないけれど。

それでも。私は。
声が枯れてもきっと叫びます。


何度だって、いつだって。
だって、それは。あなたが教えてくれたことだから。


***【~18話~】***


フェイトちゃんを送り出し、空いた時間で部屋のお掃除をする。
あまり物がない室内は、午前中にはすっきりと片付いていた。

ありあわせのもので作った昼食を終え、夕飯の用意をするまでの空いた時間は
新作ケーキのレシピを復習をしようと、仕事場で使っているノートを取り出す。
筆記用具も取り出し、それらを机の上に置いて勉強を始めようというところで、
ふと室内に、あまり聞きなれない軽快な音楽が鳴り響いた。

「……あれ? 誰かな?」

近づいてサイドボードを探る。

そこには、先日に購入したばかりの携帯電話。
パステルピンクの機体が陽の光を弾いていた。

持ち上げて手のひらに納めると、

「アリサちゃんからだ……」

黒いディスプレイに淡く青色に発光した、アリサちゃん、の文字。
アリサちゃんからの着信を示すそれに、慌てて通話ボタンを押した。

「あ、はい。なのはです」
『ああ。なのは、久しぶりね』

懐かしい声を聞き、少しだけ胸が温かくなる。
曰く、今日は大学が休講らしく、暇だったから電話をかけてみた、とのこと。
アリサちゃんらしい言葉に、思わず笑みが零れた。

こちらはどうだとか、そっちはどうなんだ、とか。そんな色々な事を連ねていく。
他愛もなく、けれど途切れることのない言葉のキャッチボール。

昔と変わらない関係で居てくれる親友の心遣いが本当にありがたくて、嬉しくて。
何度もお礼を言うと「そんなこと言われることしてないわよ、別に」と帰ってきた。
携帯電話を耳に当てながらベッドの淵に寄りかかり、柔らかな陽だまりに身を預ける。
ぽかぽかとした胸の奥に、少しだけしびれる様な甘さが走ると

「ああ。そうそう、なのは……」


先程とは打って変わったアリサちゃんの声が聞こえた。


  ◇


「ただいま。なのは」

通話が終了しボタンを押したところで、お決まりの挨拶と共に開かれる玄関のドア。
慌てて時計を見遣ると、いつの間にか夕刻の時間になってしまっていた。
バタバタと玄関に迎え出ると、なんだかほっとしたような表情のフェイトちゃんが覗いた。

「お帰りなさい、フェイトちゃん。なんだか嬉しそうだね?」

コートを脱いでハンガーにかけるその仕草と、横顔。
いつもとあまり変わらないけれど、ほんの少しだけ安心したような色が混じっている。

「そうかな? ……うん、そうだね。嬉しいのかも知れない」

両手で頬を包み、頬っぺたを上げたり下げたりしている。
その動作を何度か繰り返すと、こちらに気づいたように深い紅の瞳が向けられた。
ちょっとだけ不思議そうな顔で、覗き込まれる。

「なのはこそ、なんだか複雑そうな顔してる。……何かあった?」
「……ん。あのね? ……実は、」

アリサちゃんから電話を貰ったことを、フェイトちゃんに伝える。
すると、そっか。とフェイトちゃんは嬉しそうに頬を緩めた。

「沢山お話できた?」
「うん。それで、ね?」

その中でお互いに交わされた言葉を、端的に話していく。

海鳴にはもう戻ってこないのか、ということ。
無理なようなら、暇が出来たのならまた皆で遊びたい、とのこと。

それから、――。


「……そっか。」

静かに、一言だけ呟いて。
フェイトちゃんはそのまま、そっと瞼を閉じた。

「フェイトちゃん、あのね」
「……うん?」


幼い私達は、一生懸命だった。
だけどきっと――欠片を、どこかに置いてきた。

その欠片はなくてもきっと生きていける。
それくらいに私達は強くなったと思う。けれど。

きっと、なくてはならないものだから。
それを抱えて、私達は一緒に。前を向いて、歩いていきたいから。


「今度お休みを取って、一度。……海鳴に、戻ろう?」

その言葉に、開かれた瞼。覗く紅の瞳。
真っ直ぐに見つめると、一度だけフェイトちゃんは頷いて。

「うん。……一緒に戻ろう、なのは」


ひどく真剣な、けれど笑顔のフェイトちゃんは一つ頷きを返して。
ポケットから携帯を取り出した。何度かボタンを操作し、そのまま耳に当てる。

「……ああ、アリサ? 私。……うん、久しぶりだね、」



  ◇


5年ぶりに帰郷した海鳴は、私達が記憶していたものとあまり変わっていなかった。

駅まで迎えに来てくれるというアリサちゃんの言葉はとてもありがたかったけれど、
少し歩いてみたくて、それを丁寧にお断りした。
なんだか歩きたい気分、というのはおかしな話だけれど、でも本当のことだった。
フェイトちゃんと手を繋ぎながら、ゆっくりと道を歩いていく。

緩やかに流れていく景色は私達が記憶していたものとほぼ変わらなかった。
私にとってはずいぶんと長い時間が経つ気がしていたけれど……。
世間で言うなら、たった5年、なのかもしれない。

何だか不思議な感じがした。

同じ道、同じ景色、同じ街。同じ人なのに。

前まではずいぶんと狩りたてられるような気がして、周りの人の目を多少は
気にすることもあったけれど、今ではそんなことは全然気にもならなかった。

ただ、繋がれた手の温度だけが心地よくて。
不思議と心は落ち着いていた。


そのまま暫く歩いていると、見慣れた商店街の看板が見え始めていた。
最後に見たその景色は真っ白に染め上げられていたけれども、今は沢山の人で賑わっている。

そんな光景を眺めていると、ああ、本当に帰ってきたんだなって気がした。
もう帰ることはないかもしれない、なんて思いつめていた頃を思い出し、くすぐったくなった。


「……あ、」
「……ふぇ? どしたの?ふぇい……」


隣から小さく聞こえた声。
その視線の先に目を向けると、スーパーから出てきた一人の女の人の姿。


「………っ」


深い茶色が覗いた。続いて、濃い青の瞳。
顎先で切りそろえられた髪の毛が、風に撫でられてさらりと揺れる。


「………はやて、ちゃん」

その声に気づいたのか、視線がこちらに向いて。
続いて、驚いたように目が大きく見開かれた。


「まさか………なのはちゃんに、フェイトちゃん?」


驚いたような表情はそのままに、両手一杯にビニール袋を提げて。
はやてちゃんは、そのまま全く変わらない人懐っこい笑みを浮かべた。

「なんや、久しぶりやなー。いつ戻ってきたん?」
「うん、ついさっき駅に着いたの」

そっかそっか、と。納得したように何度も頷いた。
じくじくと鈍い痛みが、押しつぶされそうな圧迫感を感じた胸の奥に広がる。
それを誤魔化して、私は笑った。

「二人とも見ない間にえらい美人さんになったなー」
「はやてちゃんだって、随分大人っぽくなったね。びっくりしたよ」

ほんまかー? 周りからはあんま変わらんって言われることが多いから嬉しいなぁ、と。
はやてちゃんが頭をかいた。

続いて、ゆっくりと細められる瞳。


「はやて……私、」

かすれるようなフェイトちゃんの声を、遮って。

「二人は今、幸せか? 後悔とか、これからもせんか?」

短く、本当に短く告げられた言葉。
何か言いたくても、言葉では全てを伝えることが出来ないような気がして。
その目を見つめて一度だけ頷く。

はやてちゃんは、嬉しそうに笑った。


「そんならええ」


告げられた言葉と同時に、はやてちゃんを呼ぶ声が聞こえた。
スーパーの入り口を出てすぐ傍の広場に、ヴィータちゃんやシグナムさん、
シャマルさんやザフィーラさんの姿が見えた。

「ああ、もう行かんと。待たせたままやったら皆が可哀想やからなぁ」

今日は皆の誕生日パーティーやるんやで!八神家のお母さんとしてがんばらな!
そう言って、腕まくりの真似をする。すると、待ちきれなかったのか、
ヴィータちゃんがこちらに向かって駆けてくるのが見えた。

「おっとっと! あかんあかん!ヴィータはホンマにせっかちさんやなぁ。」

待っている皆の輪に加わろうとしてはやてちゃんが踵を返そうとしたところで、
ふと言葉が口を吐いた。それは今までずっと胸の奥にしまいこんでいた問いだった。
……聞けるのは、これがきっと最後の機会だと、どこかで思っていたのかも知れない。

「はやてちゃんは……?」

その言葉に、ぴたり、と止る歩み。
少しばかり落ちかけた陽に染まる髪の毛が、またさらりと流れた。

「あはははは。はやてさん、そんなに弱い子と違うで!」

毎日が幸せでお腹いっぱいや、と。こちらに向けられた笑顔は、ひどく優しかった。
濃い青の瞳はいつかに見ていた悲しみを交えた色は全くなく、
純粋に光だけを称えていて。とても、綺麗だった。

「皆がおって、家族がおる。笑顔で笑っとる。……それだけで、もう私は幸せや」
「……そっか」

じゃあ二人とも、また今度な~と笑って。駆けて来たヴィータちゃんの頭をわしわしと撫でる。
それにヴィータちゃんはくすぐったそうに、照れくさそうに身を捩って。けれども、嬉しそうに笑っていた。
それを見つめるはやてちゃんの表情は、さっきのものよりももっと優しくて。

その手を引いて、皆の輪へ加わる。照れたヴィータちゃんをシグナムさんがからかって、
それに怒ったヴィータちゃんと、それを宥めながら嬉しそうに笑っているはやてちゃんと。
にこにこと笑っているシャマルさんと、相変わらずなザフィーラさん。

仲良く並んだ5人分の影が、まっすぐに道路へと伸びる。


その背中が遠くなるまで見送って。
深く深く。一つだけ、大きく深呼吸をする。


「……なのは」
「うん」

きゅ、と握り締められた手を、握り返す。


「行こうか、フェイトちゃん」


仲良く手を繋いだ、二人分の影。
ほんの少しの身長差が感じられるそれが、道路へと真っ直ぐに伸びていた。

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非公開コメント

お疲れ様です

 焦らず、ゆっくりでOKですよ。

 にしても まさかの二人とも“元恋人”遭遇…。

 それでも、逃げず、むしろ痛みに向かって邁進するこの世界のみんなは強いな、と。

 過去を受けて未来がある。

 当たり前のことですが、あらためてそう感じました(^^)

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

>コトブキさん

ありがとうございます(つ□T)そう言って頂けると、本当に嬉しいです。
無かったままにはできない、皆が皆、前に進むには真っ直ぐに向き合わないと、と;
ありがとうございます。そう思って頂けるとは、光栄です!(土下座
本当にありがとうございました!



>namelessさん

ザッフィーさんももちろん居りますよ(><)ノシ 大切な家族の一員ですからw
いや、もしかしたら狼型かも知れませんよ……?w(何

いやもう、そう言っていただけると嬉しいですww
そして幸せ家族計画に思わず吹きましたw こ、子沢山だ!www
でもきっと近い将来、確実にそうなっていると思いますw 幸せ高町家計画発動中!になるといいな、と。
こちらこそコメント、本当にありがとうございましたーーー!
ここまで書き続けられたのも、namelessさんの癒しコメントのお力が凄く大きいです(><)
本当に本当にありがとうございます(土下座
WEB拍手
感想やリクエストなど頂けたら嬉しいですw  返信不要の方は頭に×をお願いします
プロフィール

汐薙

Author:汐薙
初めまして、汐薙と申します。
魔法少女リリカルなのはで活動中。

主な取り扱いカップリングは
フェイト×なのは
はやて×なのは です。

リンクフリーですので、貼るも剥がすもご自由にどうぞw
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