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【優しい煉獄 ~16話~】


なんだか眠れなかったので、会社に行く前にちょろっと更新です。
頂いていたコメントの返信は、帰宅次第に必ず(土下座


やはり、読む方の数だけ思いや理想、物語の受け取り方も違われるわけで、
そこは本当に難しいなと実感しております。
殆どの皆様が真面目に感想を下さって、その一つ一つを真剣に読ませて頂いております。
この場をお借りいたしまして最大級の感謝を。

このような拙いだけの話を読んで下さり、本当に嬉しく思います。
残り2話。無理をせず、お付き合いを頂ける方だけどうか宜しくお願い致します。

それでは、長編です。
フェイト視点になります。

まだ頭がぼんやりした状態で書いておりますので、多分帰宅した後にもう一度修正を入れます。
それでも 1部確認ミスによる語句を修正しました。ご迷惑をおかけいたしました

大丈夫!という方のみ続きからどうぞ!




その、言葉が。

その、温度が。

その、気持ちが。


いつまでも、いつまでも。
――胸の奥に、残っていた。



***【~16話~】***


しん、と静まり返った室内に、ぼんやりと光が差し込んでいる。
何をするでもなく、ただじっと時計を見ていた。

私だけ、遠縁の親戚の家へ行く。
それを聞かされてまだ間もなく、自分がどういう状況に陥られているのかが
よく理解できていなかった。ただ告げられた言葉を、咀嚼するように頭の中で繰り返す。
――その度に、胸がずきりと痛んだ。

「……なのは」

愛おしい彼女の名前を呼ぶ。
なのはは、いったいどうしているだろうか?

悲しげな瞳を思い出し、また胸が痛んだ。

「……うん、」


もやもやと霞んだ思考を振り払うように頭を何度か振り、
そのまま一つだけ深く。胸に澱んだ空気を吐き出す。


もう、立ち止まらないから。


クローゼットから少し大き目のボストンバックを取り出し、
辺りにあったものを適当に詰めていく。当面の服と、必要になりそうな雑貨をいくつか。
それが詰め終わったところで、とんとん、と控えめにドアがノックされた。

両親のどちらかと思い、用意していたバッグを慌ててベッドの下へと隠し、
開いています、と声を掛けた。それに答えるように、細くドアが開く。

さらりと。見覚えのある、深い色の髪の毛が覗いた。

「フェイトちゃん」
「……なのは!」

考えてもみなかった人物の来訪に、思わず大きな声が出る。
しー、っとなのはの唇に人差し指が当てられたのを見て、慌てて手のひらで口を塞いだ。
その肩には、私が先ほどまで用意していたものと同じような大きさのバッグが掛けられている。

ああ、なんだ。
やっぱりなのはも同じことを考えていたんだ。

それを見て、ベッドの下へと隠したバッグを取り出すと、なのはは驚いたように
目を丸くして。そして、嬉しそうに目を細めて笑った。

「……行こう、フェイトちゃん」

真剣みを帯びた深い蒼が、揺れて。
差し出された手のひらをしっかりと握り締める。


「……うん。行こう」


しっかりと手を握り締めて、物音を立てないように階段を下りていく。
台所に母さんの気配がし、ずきりとまた痛む胸。
ごめんなさいとありがとうを繰り返し、そっと玄関へと続くリビングを抜けた。
生まれてから、育った家。沢山の思い出が詰まっているこことも、今日で最後だ。

少しばかりの感傷に身を浸す。

そうして玄関へと出たところで。
待ち構えるように門へと寄りかかっていたのは、








「……父さん」




その声に、伏せられていた瞼が開く。
組まれていた腕がゆっくりと解かれて。



「そうか……やっぱり行くのか」
「……ごめんなさい。お父さん達が反対しているのは知ってるの、だけど!」


なのはの声が、聞こえた。しっかりと、なのはと繋いだ手のひら。
ぎゅ、と力をこめると、握り締めたなのはの手の力も強まった。










「何を言ってるんだ?……父さん、別に反対してなかったぞ?」



「……ふぇ!?」
「……えぇ!?」

考えても見なかった返答に、思わず変な声が出てしまった。
けれど、未だに緊張の解かれない身体は、呼吸をするたびにぎちりと筋肉が軋む。

「だ、だって……私を遠縁の親戚の方へやるって……」

何から話せばいいのか分からず、けれどとにかく要点を突いてみる。
確かにそう言われた。昨日は、許可できないとも言われた。

だから……、

ぐるぐると巡る思考。いくら考えてもどうやっても結論なんか出せなくて。
すると、頭に、ぽん、と大きな手のひらが乗せられた。


「……お前らがどこまで本気なのか、知りたかったんだ」


真剣なのに、気持ちを試すようなことをして悪かったな、そう言って。
父さんのその言葉に、母さんのくすくすという笑い声が聞こえてきた。
いつの間に外へと出たんだろう? 食事の準備をしていたはずなのに、見慣れたエプロンは
今は掛けられていなかった。

「だって、昨日は許可出来ないって……」
「ああ、それはな。学校も出ないで泊り込みで働くというのが駄目だと言ったんだ」

昨日のやりとりを、混乱した頭で必死に思い出す。


「……ですが、私達は……」


続けようとした言葉を、父さんは笑顔で遮った。
それは、いつもと変わらない表情で。

「……人が人を好きになるのなんて、理屈じゃないんだ。相手が誰だとか関係ない。 
 理由が必要になるなら、『その人だから好きだ』……それだけで、もう十分じゃないか」


好きだと思うことは、何も悪いことじゃない。
もしそれが罪なんだと自分で思ってしまえば、本当に罪になってしまうから。


「お前達は、もう、それを知っているんだろう?」

問い詰めるわけでもなく、純粋な質問に。
なのはと私は顔を見合わせる。ほどなく、うん、と頷いた。

――いつだって、想いは一つだけしかなかった。


「はい。……だから私は。なのはと、一緒に居たいです」
「……例えどんなことを言われてもいい。フェイトちゃんの傍に、居たいから」


父さんは一つだけ頷いて。


「父さんはな、お前達の親だ。少し悩みはしたが……幸せを望むのは、当たり前のことだからな。
 ……例えそれがどんなことであっても。父さん達だけは、無条件でお前らの味方でいたいと思う」

わしわしと、少しだけ強い力で撫でられる。

「こういうことを言うのは、お前達が一人前になるまでだ。学校を卒業して大人になれば、
 自分の行動は自分で責任を持つことになる。自分が正しいと思うなら、胸を張って生きなさい」


撫でられた手のひらは、子供の頃にされていた記憶とすっかり同じ体温で。


「行くなら……これを、持っていきなさい」


頭を撫でられていた動きが止まり、手のひらが外されて。
ポケットから、小さく折りたたまれた紙と少しだけ歪んだ封筒が手渡された。
目の前に出されたそれを受け取ると、父さんが一度だけ頷いた。

「父さんの知り合いが経営している、寮制のパティシエ専門学校だ。ここを訪ねるといい」

知らないところでやきもきするよりも全然いいから。
そう言って、父さんは踵を返して玄関へと入って行って。

「寂しいのよ、きっと」

母さんはそれを、見送って。
ゆっくりと笑った。

「……まだ子供だとばかりに思っていたけれど。やっぱり、あなた達は強い子だったのね」

好きな人といる世の中というものは、あなた達が思いつめて考えているものより、
きっと、もっと綺麗なはずだから。なんとでもなるものよ、と。そう言って。

どうして、こんなにも皆、優しいんだろう。
私達には――そんなこと言われる資格なんてないのに。


「……ごめんなさい。母さん……」
「もう。……どうして謝るのかしら?」

溢れそうな涙を我慢して。


「覚悟を決めたからには。自分の意志を、真っ直ぐに貫き通します」

なのはの声は、少しだけ掠れていて。
けれど、どこまでも強い、真っ直ぐなものだった。
その言葉に頷くと、母さんは一度だけ頷いた。

「……いつでも帰っていらっしゃい。あなた達の帰る場所は、空けておくからね」


深々と頭を下げて、なのはの手を引いて駆け出す。
そうしてしまわないと、泣いている顔を見られてしまいそうだったから。


「……なのは」
「うん」


握った手を、より強く握り締める。
先へと進む道はまだ沈まない太陽に照らされて、明るくて。



どこまでも真っ直ぐに、伸びていた。

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非公開コメント

はじめまして

…最近から、読ませてもらってます。
なんか…感動で思わずコメントなんて書いてますが、言葉にできません。
すいません(汗)
とにかく感動です。


>コトブキさん

読んで下さり、本当にありがとうございます!
いえそんな!もう、そのお気持ちだけで、本当に物凄く嬉しいです。
こちらこそ、ありがとうございます!(つ□T)

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

>namelessさん

読んで下さり、ありがとうございます。
やっぱり士郎パパはそんなイメージですよねw(ノノ)
嬉しいです。ありがとうございます!ww

仰るとおりですよね!www

ちょwnamelessさんの尻尾がえらいことに!wwww
わかりました!じゃあ何か適当に甘いものを書いちゃうんだぜ!(自重
いやもう……本当に、真剣に、現在絶賛フェイなの性糖分欠乏症状態です(マジ泣き
WEB拍手
感想やリクエストなど頂けたら嬉しいですw  返信不要の方は頭に×をお願いします
プロフィール

汐薙

Author:汐薙
初めまして、汐薙と申します。
魔法少女リリカルなのはで活動中。

主な取り扱いカップリングは
フェイト×なのは
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