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【優しい煉獄 ~7話~】


遅ればせながら、優しい煉獄、今更ながらプロットが出来ました。
ええ、今更です。うん、分かってる!分かってるもの!(何

予想外に長くなりそうです。なので中編から長編という形でカテゴリを直しました。
……毎度のことながら、考えナシで本当すみません orz

で、ですね。このままだと年内完結が難しいです;
と言っても、このテンションを年明けまでも、というのは読んで下さる方々も
そして何より書き手の汐薙もきついと思われますので、……最終手段。

これから汐薙のMPが持つ限り、優しい煉獄を集中的に更新していきます!

いあ、これ書いてると結構何気にボディーブローが来るんですよ;
話が重いのもそうですが、フェイトさんが段々と落ちていってる、の、で……orz
MPが尽きたら何か甘めの短編を合間に入れて行きたいと思います;

どうか宜しくお願い致します;


と。長々すみません。
以下、優しい煉獄、第7話です。アンラッキーセブン。

フェイトさんとなのはさんはラブラブじゃなきゃヤダ!という方は、
何話か溜まってから、または最終話直前まで待たないとキツイかも知れません、ごめんなさい;


そんなには痛くないはず……ですが、
あ、やばいかも、とちょっとでも思った方は、一応念のためにこの何話かは、スルー推奨で!


ほんっとうにごめんなさい。初めに謝っておきます(土下座


以上、大丈夫!という方のみ、続きからどうぞ。





例えばそれは。

光の通らない真っ暗なトンネルに放り出された、幼子のようで。
壁伝いに歩を進めては、向かっているこの道が本当に正しいのかを迷って悩んで。

立ち止まっては、座り込んで。

 
 俯いた瞬間、見えていたはずの出口を見失う。
 


 
***【~7話~】***


ずきずきと痛む頭を抱えて目を開く。

明るい室内に響く、流し場の冷たいアルミを叩く激しいくらいの水音。
バシャバシャと跳ね返るしぶきが顔に降りかかる。それを避ける力すら出ずただぼんやりと、
流れに逆らえず、排水溝に渦を巻いて吸い込まれていくだけの水を見つめる。
鈍く光る銀色が対面した私の顔をうっすらと映しこんでいる。

酷い顔だ。

思わず、苦笑が零れた。

「……フェイトちゃん?」

なかなか戻らない私を心配したのか、なのはがキッチンへと来てくれた。
心配そうに覗き込む蒼の瞳。綺麗だった。

それが、なんだか驚いたように見開かれて。

「どう、したの?」

心配そうな声がした。
伸ばされた指に触れられると、途端に焼け付くような痛みが差し込んで。
思わず、その手から逃れるために身を引いた。

「――っ、ごめ……なんでも、な……」
「……フェイトちゃ……」

なのはの言葉を遮るように、ダイニングから響く甲高い電子音。
三度目のコールで、受話器が上げられた音がした。

少しの掛け合いの後、なのはを呼ぶ母さんの声がして。

「……ほら、なのは。母さん、呼んでるよ?」
「――ん、」

どこか引っ掛かりを帯びたようなその声。
にこりと笑顔を向けると、なのはは困ったように眉を下げた。
後ろ髪引かれるように、なのははキッチンを後にして。その背中を見送った。

ずるり、と崩れ落ちた身体を壁へともたれ掛からせると、ひんやりとした温度が服越しに感じられる。
息を吐くことすら苦しくて、私はそのまま俯いた。

声を出せば、泣いてしまいそうだった。

こみ上げてくる胃液を抑えようと、乾いた喉で必死に唾液を送り込む。


「……フェイトちゃん、アリサちゃんたちが明日、遊べるかって……どうする?」

頭上から、戸惑いがちななのはの声がした。
断ろうか?と尋ねるその言葉に、顔も上げないままに首を横に振る。
こんな気分のまま誰かに会うなんて嫌だったけれど、だけどこのまま家に居ても、仕方ないから。


もしかしたら……本当にこれでいいのか、アリサ達なら教えてくれるだろうか?


そんな考えに、少しだけ口元をゆがめる。
誰にも許されるはずがない想いを、吐露してどうなる。
大体、こういうことは話す様なことじゃ、ないじゃないか。

笑おうとして。張り付いていた舌を動かそうとしたが、それは叶わなくて。
もどかしくなってきつく歯を立てると、じん、と強い痛みが現実に引き戻してくれる気がした。

「……行くよ」
「――うん」


なのはは、ひどく不安そうで。

「……フェイトちゃん、ちゅう、して」

震える声が、した。
背後には依然聞こえてくる、楽しそうな家族の声。
そんなことも全部分かっていて、なのははそう言った。

縋るような声だった。
それなのに私は、ただ不安で。

痛くて。

苦しくて。


「……だめだよ、今は……気づかれちゃう」


拒絶するしか、なかった。
それ以上なのはを見ていることが出来なくて、足早に自分の部屋へと戻って。
勢いよくベッドに倒れこんだ。


必死に向き合いたくなかった、事実。

開いた手のひらは、気持ちを自覚していたあの頃よりもずっとずっと大きくなった。
知識だってついた。理性だってついた。大人でもないけれど、子供ではない。
だからこそ、知ってしまった。分かってしまった。


私達に、未来は作れない。


それがどうしたと思った。思っていた。
この気持ち一つあれば、他には何もいらないとさえ思っていた。


だけど、――なのはは?


ずきり、と。胸が痛んだ。今は好きだと言ってくれる。
でもそれがなのはの幸せなのか、私には分からない。

後悔させないから、だから私を選んで。

そんなことは、胸を張って言うことなど出来なかった。
想いだけなら誰にも負けないのに。私達の絆はきっと近い未来、いとも簡単に壊される。


その時、なのははどう思う?


嫌だと泣いてくれるだろうか?
それとも、後々我に返り、ああよかったと胸を撫で下ろすだろうか?

愛おしい人との子を抱いて。

いやだ。いやだ、いやだいやだいやだ。
私には到底耐えることなど出来そうになかった。


その瞬間を考えるだけで、胸が、張り裂けてしまいそうだった。




 ◇


その翌日。今日も相変わらず、いい天気だった。
澱んだ私の気持ちとは正反対の空は悔しいくらいに真っ青で、雲ひとつなく澄んでいて。

ゆるゆると時計を見つめる。かちかちと規則正しく時を刻む針は、もう少しで10時になろうかという所。
アリサ達と会うのは正午。一緒にお昼を食べようとも約束していた。
家は近所だから、30分も前に自宅を出れば遅刻をすることもなくたどり着いてしまう距離だ。

だけど、私はそれよりも早く出ることにした。
私も一緒に、というなのはの誘いを、それとなく断る。

なのはと一緒にいるのが辛かった。

嫌いだからじゃない。
好きだから。好きになってしまったから。

――もう、ぐちゃぐちゃだった。


「部活の仲間と、ちょっと会う約束をしてるんだ」


だから、先に行くね、と。そう笑って。
ありもしない約束を言う私に、なのはは俯いた。

「……そっか」
「……うん、ごめん……」


そんな顔、させたくなかった。抱き締めたかった。
愛してると囁いて、ずっとずっと。

だけど、だけど。だけど。


昨日の映像が、ちらついて。
それをかき消すように、きつく目を閉じた。
逃げるように玄関を飛び出し、そのまま駆け出す。

酸素が足らず肺が悲鳴を上げる。意識がかすんでくらくらする。
それでもただ走った。真っ直ぐに、真っ直ぐに。

閑静な住宅街に、一人だけはぐれた様な靴音が響く。
視界を流れていく看板や家々。ふと、視界が遮られた。行き止まりだ。

は、と息を吐いて顔を上げると、公園が見えた。
見たこともない所だ。どうやらずいぶんと遠くまで来てしまったらしい。
お昼時なせいか、一人として姿が見えなかった。いつもは賑わっているのであろう
砂場ががらんとした広さを見せ、より一層の寂しさをかもし出して。

風に揺れたブランコが、き、と少しだけ軋んだ。


――ああ、一人ぼっちだ。

なんとなくそんなことを考えてしまった自分に苦笑して、近くにあったベンチに腰をかける。
なにすることもなく、ただ空を見上げた。

綺麗な、青。

思い切り手を伸ばすが、届くはずもなく。
ただ空を切り、青を切る自分の手の白さだけが映った。

溶け合わない青と白。
ゆっくりと、瞼を閉じる。


「……フェイト、さん?」

その声に瞼を開くと、いつの間にか目の前に女の子が立っていた。
どこか見たことのある顔。誰だろう? 私の名前を知っているなら、きっと知り合いのはずだ。
ぼんやりとした頭で思い出そうと記憶を辿る。

「……あぁ、同じクラスの、」

確か、体育の時間にタオルを渡してくれた子だ。同じクラスだった。
普段はアリサたちと一緒にいるせいか、どうにも他の子たちとは縁が深くない。
ああ、だめだなぁと苦笑を零すと、その子が不思議そうに首を傾げた。
なんでもないよ、と笑うと、その子が少しだけ頬を紅潮させたのが分かった。

「……どうしたんですか? こんなところで?」
「えと……ちょっと約束の時間までの暇つぶし、かな」

一言二言、言葉を交わす。
私は犬の散歩中で、と。握った綱を少しだけ持ち上げた。
足元にじゃれ付く小さな子犬が可愛かった。そっか、と笑うと、ええ、と返されて。
私の足元にも近づき、きゃん、と鳴く子犬を撫でる。


一度だけ撫で、手を離す。
わんちゃん、待ってるよ?と声を掛けても動こうとせず、その子は俯いたままで。

「……えっと、その……!」

おどおどと、告げられない言葉。
どうしたんだろう? なにかあったのかな?

幾ばくかの時間が過ぎ。11時半を知らせる鐘が鳴る。

「ごめんね……えっと、私、……」

もう行くね、と。その言葉を遮って、









「フェイトさんが好きなんです!」



頭が、真っ白になった。

……いま、なんて?


訳もわからず、ただぼんやりとその子を見つめる。俯いた、真っ赤な顔。
硬く握り締められた手は震えていて。


「だ、から……よければ私と、付き合って、下さい」


告白、された。
そんな経験が、なかったわけではない。
今までは、申し訳ないと思いながらも、誠実に断り続けていた。
なのはのことしか考えられなかったから。


だけど。

「仮に付き合ったとして……君を好きにならないかも知れない。それでもいいの?」
「それでも、いいです。傍に居てくれるのなら」


あんなにも頑なだった気持ちが、揺らいだ。
――昨日の映像が、焼きついて離れなかった。



私はなのはに、何もあげられない。
愛でさえ、いつかきっと君の負担になるのだろう。

私は何一つだって君から奪いたくはなかった。

だって、なのはが何よりも大切で。誰よりも大好きで。


だから。



「いいよ。……付き合おうか」


だから、手を離したほうがいいんだ。



――ああ、なんてひどい人間なんだろう。
結局私は、周りの人たちを傷つけることしか、選んでない。






約束の時間から少し遅れて、私はアリサの家に着いた。
心配をしてくれた皆に謝って、何気ない話をしながら食事をして。

なんの話題だったろう?

「ああ、私……恋人が出来たんだ」

掠れた喉で、声を出す。
なのはが驚いたよう視線を向けた。きっと自分のことだと思ったんだろう。
不安そうに、でも少しの安堵を帯びた呼気が聞こえて。

ずきん、と痛む胸。

「今日、クラスの子に告白されたんだ」


その言葉に、なのはが目を見開いた。


「――え?……え??」

フェイトちゃん? そう呼びかけられた声を、意図的に無視して。
テーブルの下で、硬く手のひらを握りこんだ。鋭い痛みと共に、少しだけ湿った温度。

ごめんね、なのは。ごめん、ごめん。
――ごめん、なさい。


呆然としたなのはの表情を見ることが出来ず、私はゆっくりと目を閉じて。





「いいよって……付き合おうって、言った」



静かに、そう言い放った。
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!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!ちょっΣ( □|||)
なんだってぇぇぇぇぇ##############ーヽ(`Д´#)ノ
なんというコトを…フェイト…orz

「…思えば、これが「フェイト無節操100人切りのスタートだったのよ…。
 …あたりまえじゃない! 本気じゃない相手となんて続くわけないじゃない…。
 それなのに、アイツったら…! 周りのコトも見えてないフリして、100人もの女の子を…!!
 取っ替えひっかえして食い散らかしたのよぉぉぉー;」
後に、アリサ・バニングスが語るのだった…wwwww

汐薙さんー、痛いですぅぅぅー;
でも、オラ頑張ってついていきます!ヾ(≧∇≦)〃

>TOMさん

ああああ本当にすみません;
こ、この辺りが一番痛いかもしれません……;
それを越えればあとは一直線なので……ゴフ(吐血

すみません、アレでしたら溜まってからの方がいい、か、も……な;;
あと3話くらいはそんな感じです(土下座

うああ、もったいないお言葉ありがとうございます。光栄です;;



>namelessさん

とうとうフェイトさんが……な回でした;;
フェイトさんは先の先まで思慮して、どんどん悪いほうに考えていってます、ね;;
大丈夫!なのはさんは病みませんよー!ただしフェイトさんはやばくなりそうです;;

うあああん!本当にありがとうございます(つ□T)
もうドMなんだかドSなんだか分からなくて一人S☆Mな状態です(吐血
フェイなの至上主義の汐薙は死に掛けてます;
もう!大好きだよで終わればいいじゃない!(書いてる本人が言うな

namelessさんのお言葉に嬉し涙がでました。本当にお気遣いありがとうございます!
他のサイトさまの甘甘SSを拝見しながら回復して、
頑張って二人の道を指し示して行きたいと思います!



>もっけさん

初めましてw コメント、本当にありがとうございますww
新刊、お手に取っていただきありがとうございますーーー!
読み返していただけてるだなんて……嬉しいお言葉、光栄な限りです(つ□T)

本当に、両想いなのに片想い状態な二人ですね orz
でも、ラブラブになる前って何かしらの葛藤があると思うのです、ええ。
いや、お言葉嬉しかったですww
ここまで書いたので、 可能な限りなんとかしていきたいと思います!!

そしてリンク、ありがとうございますー!
こんなサイトに……光栄です(土下座
近いうちに必ずお邪魔させていただきますー!本当にありがとうございました!



>サンぽんさん

フェイトさんがとうとう………大暴走……;
って!ちょww サンぽんさんww 待ってwww そういわれるとありそうで怖いですw
そうならないように頑張ってもらわなければ!

痛くて本当にすみません;
あとほんの少しこんな感じですが、最後にはきっと幸せにしてみせますので!
見捨てないでお付き合いしていただければ嬉しいです(土下座謝罪
WEB拍手
感想やリクエストなど頂けたら嬉しいですw  返信不要の方は頭に×をお願いします
プロフィール

汐薙

Author:汐薙
初めまして、汐薙と申します。
魔法少女リリカルなのはで活動中。

主な取り扱いカップリングは
フェイト×なのは
はやて×なのは です。

リンクフリーですので、貼るも剥がすもご自由にどうぞw
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