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【優しい煉獄 ~6話~】


久しぶりの中編です。
……ぶっちゃけ久しぶりすぎて危うく内容を忘れそうになtt(ry

正直先が見えません(つ□T)進まない……!!
こんなに先が見えないで書いてるのは初めてかも、な勢いです orz

やっぱ勢いだけで後先考えずに書き出すと駄目、です、ね……。
このまま更新しなければ続きがあったのを忘れてくれるかな!とか。
そんなちょっとした黒い感情が出たり出なかったりしておりました、が……ええ。

とりあえず年内完結を目指して頑張ります!


と。以下中編第6話になります。



お願いお願い、誰か助けて。

私がこの手で「妹」を傷つけてしまうその前に。
私のこの手が「妹」の幸せを握りつぶしてしまうその前に。

早く、早く、早く。
    
 「なのは」を愛してる。

でも。

 「妹」だって、大切なんだ。


***【~6話~】***


泣き腫れたなのはの瞼に、そっと指先を這わせる。
赤くなってしまったそれは熱を持ち、触れ合った皮膚からはほんの少しの痛みとともに
柔らかな熱が伝わってきた。

喉がつぶれてしまったようで。声が出ない。
ぎちり、と筋肉が軋む音とともに僅か唇を開くと、音にならない呼気が漏れ出た。

「なのは」

私が彼女の名前を呼ぶことなんて、許されないんじゃないか。
そんな思いがして、唇を閉じる。胃液がじんわりとこみ上げた。

一度だけ息を吐くと、鼻先がつんと痛む。

暫くの間、室内は静寂に支配されて。ややあって伸ばした手のひらに、頬が寄せられた。
そっと。戸惑ったように。それは先日までしていたような、じゃれあったものではなく。

「ふぇいと、ちゃん」

前と同じような、想いでもなく。


――ああ。
確かに、私のものだ。ずっと考えてきた”誰か”ではない、私の。

ひどく激しい自責の念と。そして、やっとのことで触れられた、歓喜。
複雑に交じり合ったそれらが、胸の奥から渦を巻いて。

――なんだかひどく、自分が浅ましい者に感じた。

「……好き、だよ」

なのはらしくない、掠れた声。それは確かに今ここに在る私に向けられて。
抱きしめた腕に力を込めると、ぴったりと隙間がないほどに触れ合える。
幾ばくかの痛みを抱えた胸になのはの手のひらが触れた。
震える手のひらを、包み込むようにして。

「私も、大好きだよ」

想いを吐露して。
縋りあうように抱き締めて、触れ合うだけのキスを繰り返した。

かたん、と小さな物音がしては身を離して。
誰も居ないはずの室内を見渡して、やっとのことで安堵して。

また胸が痛んで。噛み付くように唇を寄せた。


「なのは……なの、は」
「……ん、ふぇ……と、ちゃ……っ」

酸素が足らずくらくらと思考が霞んで。
もつれ合うように二人してソファへと身を沈めた。ぎ、とか細いスプリングが軋む。
なのはの身体越しに、いつも家族で座っているソファの濃い茶の生地が視界に映りこんだ。

唇をゆっくりと割り開くと、それに答えるようになのはも舌先を伸ばしてくれた。
送り込まれた私の唾液を飲み込んだなのはの喉が、小さく控えめに鳴る。


 絡み合う、舌先。


やっと両想いだね、なんて。気軽に笑い合えない。
ずっと傍にいてね、なんて。言葉に出来ない。

照れあって。キスしちゃったの、内緒だよ? なんて。
――そんな、茶化しあうように言うことなんてそんなのは、夢のまた夢だった。


 絡み合わない、未来。


ずきずきと痛みが身体を巡って。
置き場のないそれが瞳から溢れ、頬を伝って零れ落ちた。
ぱたり、となのはの頬に触れると、苦しそうな顔をしたなのはが手を伸ばして。
触れた指先に、溢れ出たままのその雫を掬われる。


「愛してるよ。だから、泣かないで?」


どうすればいいのか分からなかった。
これでいいのかも、このままでいていのかも。

それでも。


 それでもなのはの傍に居たかった。


 「……ずっと一緒だ。なのは」

差し出した小指。なのはは、それにそっと自分の指を絡めて。


 「うん、ずっと一緒」


約束ではなく。
願いを託した、指切りをした。



 ◇

 

それから、数日経った。
目覚まし時計の鳴る音で目が覚め、やや眠い目を擦る。
かちかちと規則正しく時を刻み込む秒針の音。
覗き込むと、まだ朝も早い時間だった。

カーテンの隙間から漏れ出る光に目を細める。
ふあ、とあくびを一つして。うーん、と両手を真っ直ぐ上に突き出す。
ぱきぱきと軽い音がして、背筋が伸びていくのが心地いい。そのままゆっくりと身体を起こした。

今日も風もなく、空も真っ青に晴れていた。
着ていたパジャマを脱ぎ、クローゼットの中からラフなシャツとスカートを取り出す。
着替えながらシャツの中に巻き込んでしまった髪の毛を流すと、階下から母さんの声がした。

「起きたー? 二人とも早くご飯食べちゃいなさいよー」

その声に「ああ、なのはもまだ起きてなかったのか」と一安心。
自室を出、隣の部屋をノックすると、暫くして少しだけ眠そうななのはが顔を覗かせた。

「んー、おはよう、フェイトちゃん」

きょろきょろと辺りを見渡して。
誰も居ないことを確信してから、触れ合うだけのキスを一つ。

「おはよう、なのは」

恥ずかしそうに君がはにかんで。
そっと。キスを返してくれた。


二人で階段を下りると、珍しく皆が揃っていた。
お母さんと、お父さんと、お姉ちゃんと。そして――、

「あれ? お兄ちゃん?」
「ああ、久しぶりだな、二人とも」

そこには、婿養子として家を出ていた兄の姿。
会うのは久しぶりで、お兄ちゃん子でもあったなのははよりいっそう笑顔が深くなる。
そんななのはを追うようにして駆け寄ると、その腕に抱かれているものに視線が奪われた。

「あ、……もう退院できたの!?」
「ああ。暫く前だけどな。今日は顔を見せようと思って連れてきたんだ」

小さな小さな命。
顔立ちは兄に似ていたけれど、うっすらと生えた髪は義理姉のものにそっくりだった。
人懐っこい子らしく、泣いたりもせずに腕の中でおとなしくしていた。

「ほら、可愛いだろう?」

どこの子よりもいかに自分の子どもが可愛いかを嬉しそうに語る兄の姿。
顔なんて緩みっぱなしで、見ているこっちが恥ずかしくなってしまうくらいで。

でも、とても幸せそうだった。

なのはは慣れない手つきでその子を抱っこさせてもらいながら、嬉しそうに話しかけていた。
小さな瞳。そして小さな指先が忙しなく動いて。そんな様子に私の頬も緩む。
近づいてそっと頬に触れると、その指をきゅっと握り締められた。

「可愛いね。わー……ちっちゃいな~……」
「ふふふ。なのはにもこんな頃があったのよ?」

嬉しそうに、幸せそうに。
赤ちゃんを抱っこして、頬を摺り寄せて笑うなのは。

「えへへ。可愛いね?」


その様子を見ながら、私は、



「……あ…………」


どくん、と。
    心臓が跳ねた。


「……どうしたんだ?」

その様子に気づいた兄に、心配そうに顔を覗き込まれる。
なんでもないよ、と返すのが精一杯で。水を飲みにいくと偽ってキッチンへと駆け込んだ。


吐きそうだった。



 なのはを愛してる。愛してる。
守っていくと誓った。ずっと傍にいると約束した。

 ずっと愛していると。


だけど、


「やっぱり…………私、じゃ……、幸せに、でき、ないよ」



どうして。
    どうして。
 

 どうすればいいの? どうしたらいいの?


 怖いよ、怖いよ。
 

            だれか、助けて。
 


なのはと指切りをした小指が。
まるで誓ったその想いを責めるように、ずきずきと。


  

  ひどく痛んだ。

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非公開コメント

フェイトさん凄く苦しんでますねぇ~。(>_<)
めちゃめちゃネガティブモード……。
でも、なのはさんも同じくらい悩み、苦しんでるのでしょうか…。
目の前にある壁が大きくて、暗闇の中をさまようように……。
だけど、なのはさんとフェイトさんならどんな困難だってぶち破れますよ!!
姉妹関係だろうが、親子関係(?!)だろうがきっと幸せなゴールを迎えることができると信じてます!!(オチツケ
フェイなのは宇宙の真理っ!


続き楽しみにしてます!

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>水無月さん

どんどん落ちていってます、フェイトさん orz
大好きだからこそ、という想いが強いから不のスパイラルが発生……;
なのはさんも同じくらい苦しんでいるの、かな? 今のところは秘密ということで!
そのうちなのは視点で、なのはの想いなどが吐露されていくと思います(土下座
一人では駄目だけど、二人なら。それをフェイトさんが早く分かってくれればいいのですが……

ありがとうございます!ちょっとヤバイ状況になりつつありますが、幸せにするために頑張ります!
フェイなのは宇宙の真理っ! 続きも頑張ります!!



>杏香さん

ありがとうございますーーー!
いやもう本当にそう言って下さると凄く嬉しいです(つ□T)重い話で申し訳なく思いながら書いてます;;
フェイトさんはだんだん後ろ向きになって行ってます、ね; どうしよう;
ありがとうございます!年内完結に向けてがんばりますので、どうか宜しくお願いします(土下座

リリマジも無事終わりました!お気遣いありがとうございますw
コピーの方は来年にオフで出せたらいいなぁ……なんて。その際はご機会ありましたら
どうか宜しくお願いしますw
もし一般でいらっしゃるようなことがございましたら是非ご挨拶させて下さい!www
ありがとうございます、頑張りますー!



>炎樹さん

ありがとうございますー!だんだんやばくなってます;;
いやもう、もったいないお言葉、光栄な限りです。本当にありがとうございます!
次回からもっと痛くなるかも知れませんが、どうかお付き合いの程、宜しくお願い致します;



>蓮momoさん

初めましてー!コメント、本当にありがとうございます!
前から読んで頂けていたとのことで、光栄ですwあ りがとうございますw
フェイトさんはどんどんネガティブになっていってます、ね…… orz
なのはさんもなんとなく気づいているとは思います。ええ。きっとなのはさんがどうにかしてくれる、かも!
ありがとうございますー!続きも頑張ります!

そして、ブログを開設なされたとのことで、おめでとうございます!
近いうちに必ずお邪魔させていただきます!w 教えてくださり、ありがとうございますーw



>namelessさん

今回はイキナリ大きな壁が出てきてしまいました。
いや、ここは超えないといけないだろう、と。……ちょっと超えられるか不安です(凹
そして、いやいや、namelessさんの的確なお言葉、本当に嬉しかったです。本当にそうですよね……。
打ち切りとかはキツイですよねww すみませんw 終わるまで決して止めませんよ!
ありがとうございます!まだ壁は出てきますが、信じて下さるとおっしゃっていただけたその言葉を糧に
二人を幸せにするためになんとか頑張ります!



>サンぽんさん

こ、今回も壁をブチ当てすぎました……。ちょっと重すぎたかもと後悔でいっぱいです;;
でもきっとなんとかします!ええ!多分!絶対!……うん(弱気
子供も……って!実はフェイトちゃんが~の件で思わず吹き出してしまいましたw
ちょ、サンぽんさんww何言ってるんですかあああぁぁぁ!! それいいかも!(マテ
いや、すみません;
WEB拍手
感想やリクエストなど頂けたら嬉しいですw  返信不要の方は頭に×をお願いします
プロフィール

汐薙

Author:汐薙
初めまして、汐薙と申します。
魔法少女リリカルなのはで活動中。

主な取り扱いカップリングは
フェイト×なのは
はやて×なのは です。

リンクフリーですので、貼るも剥がすもご自由にどうぞw
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