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【優しい煉獄 ~3話~】


約1ヵ月ぶりとなりました中編です。
この辺りからだんだんと話が動いていく……はず!

なんだかまとまりがない文章になってしまいました…… orz




どうしてこんなにも、好きになってしまったんだろう?


手を伸ばせれば届く距離が、痛い。
触れようと思えば触れることが出来る距離が、憎い。

いっそ、手が届かないほどに遠ければ
こんなにも強く求めることも。願うこともしなかったのに。


ねぇ、なのは。
――私、どうすればいいのかな?


好きなのに。大好きなのに。
君の事が大好きすぎて、セカイを壊すことすら出来ない。

私のセカイは、もう君のことでいっぱいで。
溢れて零れてしまいそうで。それを必死に押し込めて。

ねぇ、なのは。

痛いよ。


もう、何も考えられないように。


いっそ、壊れてしまいたい。



***【~3話~】***


相手チームの子の腕をかいくぐり、そのままボールをリングに叩き込む。
ざわめく歓声。それと同時に試合終了を告げる笛の音が耳に届いた。

「お疲れ様、フェイト。しっかし相変わらず凄い声援だったわね……耳が痛いわ」
「あ、アリサ。……うん、お疲れ様」

耳を塞いで眉を顰めるアリサの隣で、にこにこと微笑んでいるすずか。
少しだけ苦笑して周りを見渡す。……そこに、なのはの姿はなかった。

ため息を一つ吐く。
試合が始まる前のあの映像が、焼きついたように頭から離れない。

ふと見やった反対側のコートは、まだ試合中のようだった。
人波の間から何気なく視線を向けていると、瞬間、亜麻色の髪が映りこんだ。

「なのはのチームの試合、かな?」

確かあの髪色はなのは以外はいなかったはず。
……なにより私がなのはを見間違えるはずがない。

「ちょっとごめん、試合始まるまで見てきていいかな?」
「あー、はいはい。いってらっしゃい」

私の言葉に、アリサがため息を吐いた。
いつものことだ、と言わんばかりに、ひらひらと手のひらを振られる。

「あんたの欠点はなのはバカなところね」
「フェイトちゃんはなのはちゃん、大好きだもんね?」

2人の言葉に思わず顔が赤くなるのを感じた。
そんなんじゃないよ、と言葉も早々に向こうのコートへと走り出す。

人波を避けて歩を進めていると、額から流れた汗が目に沁みた。
思わず立ち止まり、ぎゅっと硬く目を瞑ると、横から人の気配がして。

「フェイトさん、あ、あのっ、タオルどうぞ!」

その声に視線を向けると、見覚えのある女の子。
確か同じクラスの子だ。運動後で疲れたのだろうか、
真っ赤な顔をしてタオルをこちらに差し出してくれた。

「ん……、ありがとう。でも、大丈夫だから」

申し訳なく思いながらもお礼を言うと、そうですか、と眉を下げたその子。
ごめんね、と再度謝ろうと口を開くと、

「ふにゃあっ!!」

ばしん、と大きな音。それに続いて小さな子猫のような鳴き声が聞こえた。
ざわざわとざわめくコート内。

「なのは!」

その声に、止めていた足を進める。

たどり着いたその先には倒れこんだなのはと、
心配そうに抱きかかえて、その顔を覗き込んでいるはやての姿。


「なのは!大丈夫、なのは!?」
「ボールがぶつかったみたいなんよ」

頭を押さえているなのはの手をはずし、そこに手のひらで触れる。
少しだけぷっくりと膨れた額。熱を持っているのか赤くなってしまっていた。
意識はあるのか、うう、と小さなうめき声と共に眉が顰められる。

「……にゃはは、ちょっと失敗」
「もう。なのはは……」

大事に至らなかったことに安心し、ため息を一つ。
そのまま背中とひざの裏に腕を回し、なのはの体を抱き上げた。

「ひゃ……っ」
「すみません、先生。ちょっと保健室に連れて行きますね」

「ん、お願いね。女の子なんだからちゃんと冷やさなきゃダメよ?高町さん」
「……はい」

フェイトちゃん、大丈夫だから、と暴れるなのは。
動かされる度に鼻腔を甘い香りがくすぐって。

くらくらした。

「ダ~メ。なのははいっつも無茶ばっかりするんだから」
「あう……」

ドキドキとうるさい心臓を押さえ、保健室の扉を開く。
がらん、と静まり返った室内。珍しくベッドにも誰もおらず、閑散としていた。

保健の先生の姿はなかった。
ふと机の上を見ると、出張中、の張り紙。

しかたないので冷蔵庫から氷嚢を取り出し、タオルでそれを包んで
椅子に座っているなのはのところへ持っていく。

「なのは、まだ痛む?」
「ん……痛みはそんなにないよ。もう平気」

大丈夫、ということをアピールするかのように微笑むなのは。
最近ちょっと寝不足だったから、ぼ~っとしちゃったんだ、と。

「自業自得なのに……フェイトちゃんまで巻き込んじゃってごめんね」
「そんなこと気にしないでいいから。……それより、少し休んだ方がいいよ?」

え、でも、と渋るなのはをベッドに寝かせる。
先生には言っておくから、と布団を掛けてあげると、困ったようになのはは笑った。

「ごめんね、フェイトちゃん」
「大丈夫だから。……ほら、お休み。なのは」

ボールがぶつかったところに氷嚢を置く。
そのまま頭を撫でていると、よほど疲れていたのか、すぐに緩やかな寝息が聞こえてきた。
艶やかな髪は枕から零れ、シーツをその色に染めている。

すぐに体育館に戻らず、寝息を立てているなのはの頭をゆっくりと撫で続けた。
こんなに間近になのはの寝顔を見たのは、いったいいつくらいぶりだろう?

なのはを意識しだしたその日から、私はなのはと共に寝ることはしなくなった。
同じ部屋の2段ベッドで、緩やかな吐息を聞いて。

その体温を、腕の中に思い描いて。


「……なのは」

伏せられた瞼。長い睫。艶やかな唇。
カーテンの隙間から差し込んだ陽の光を浴びたそれは、
どれもこれも、凄く、綺麗で。

また、つきん、と胸が痛んだ。

「なのは」

頬に触れる。

「なのは」

瞼に触れる。


「……なのは」

唇に、触れる。
親指の腹で、形を確かめるようにゆっくりなぞる。

感じる弾力が、苦しいくらいに愛おしくて。

泣きたくなった。

私が絶対に得られないものが、今、目の前にあって。
そのうちに、私以外の誰かのものになってしまって。


ずきん、と痛む胸。


「なのは……なのは」

ダメなのに。ダメなのに。――ダメなのに!

頭はガンガンと警告を鳴らす。
なのはは、起きない。

「――好きなんだ、なのは」

ゆっくりと顔を近づけて。
自分のそれを、なのはの唇に押し当てた。

「――っ、は、」


唇から伝わる、柔らかい感触。甘い温度。


私のファーストキスは、望んだ相手だった。
だけどそれは、寝ている彼女から奪った、ひどく一方的なもので。


世間で言われるような、甘く切ないものではなくて。

どうしようもないくらいの、切望と、苦しさと、絶望でぐちゃぐちゃな気持ちだった。
長年望んでいたはずなのに。嬉しいはずなのに。

ただ――悔しくて。


「……っ、ごめんなさい、なのは。……ごめんなさい…」


涙で濡れて、しょっぱくて。
――上手く酸素を取り込めない喉が潰れそうに苦しくて。
私は泣く資格なんてないのに。しゃくりあげる、嗚咽が止まらなくて。

「ごめんなさい……ごめん、なさ……」

胸が潰れそうなくらいに、ただ悲しくて。
それなのに、触れ合ったままの唇を離すことが出来なくて。

ぱたぱたと、なのはの頬に涙の雨が降りかかる。
起こさないように、それを指先で静かに拭いながら、また涙が零れ落ちた。

「愛してるんだ……なのは」


結末が分かるこの恋を捨てられない自分が、情けなかった。

------------------
【~4話~】へ。
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せ、切ない(TДT)うっ、っく、ふぇえええん何という切なさ!
フェイトの気持ちが痛いほど伝わってきて胸がきゅうっと
締め付けられちゃいました…うぅ切ないけど愛しいです!!
また、たくさん泣かされちゃいそうな予感☆
でも切なさあってのフェイなの(なのフェイ)ですもんね♪
続きをいつまでも待っています!お時間が出来てからで
いいのであまり無理をなされないようにですよー夏コミも
近いですからね>▽<今回も素敵ssありがとうでした♪

初めまして!

初めましてこんばんは><ボ茶と申します。
今回もう色々なものが我慢できずに特攻させていただきますスペースお借りします><ドキドキ
【優しい煉獄】もうめちゃめちゃ大好きです!!
っていうかなんて私のツボばっかり突いたSSかと…!初めて読んだときは本当目を疑いましたもう・・・!><
特にフェイトちゃんの切ない感が本当…本当……萌えです!←ちょ
なのはさんもいつもながら激カワですし、本当超大好きです><
これからも影ながら応援していきますね!!頑張ってください!!

あと遅くなりましたがリンク本当にありがとうございます><へこへこ
まさか憧れの汐薙さんにリンクしていただけるなんて夢にも思っていなかったのでとっても嬉しいです!!ありがとうございました!!

それでは^^いつも更新楽しみにしていますね^^では!

>炎樹さん

ああああ、ありがたきお言葉!そう言って頂けると、本当に嬉しいですw
今回は主にフェイトさんが……その……。ええ;頑張ると思いますっ!

合間を見てのそのそ更新していければ、と考えておりますので、
まったりとお待ちいただければ光栄です。宜しくお願いします;(土下座

こちらこそ読んで頂き、ありがとうございましたーww



>ボ茶さん

ボ茶さん!! ∑(@△@) こ、こんばんは!ようこそいらっしゃいませっ!
ああああ、ありがとうございます!そう言って頂けると、凄く嬉しいですww
なんだか相変わらずの痛さ全開のSSで申し訳ない限りです;
今回もフェイトさんは切ない感満載になるのではないかな……とw(マテ

ありがとうございます!頑張りますっww

そして。こちらこそリンクを貼って下さって本当にありがとうございました!
そんな、もったいないお言葉すぎです; むしろこんな人間&サイトですみません;

ヘタレとチキンスキルが自重してくれなくて、ご挨拶に伺わなければ!と思ったまま
なかなかコメントが付けられずに居ました; ごごごごご、ごめんなさい;
近いうちに必ずご挨拶にうかがわせて頂きますのでっ!(土下座

もう本当に、猫なのはさんが可愛すぎて、たまりませんw
なんて可愛い絵をお描きになるんだろう、と拝見する度にハアハアしてますww(怖い
メイドなのはさんもこっそり楽しみにしておりますーw

私もボ茶さんの更新、毎回とても楽しみにしておりますww
今回はコメント、本当にありがとうございました!
WEB拍手
感想やリクエストなど頂けたら嬉しいですw  返信不要の方は頭に×をお願いします
プロフィール

汐薙

Author:汐薙
初めまして、汐薙と申します。
魔法少女リリカルなのはで活動中。

主な取り扱いカップリングは
フェイト×なのは
はやて×なのは です。

リンクフリーですので、貼るも剥がすもご自由にどうぞw
一報を頂けると管理人が喜びますw

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